父親と母親から子供に受け継がれる“遺伝子”の数が人によって違っている事を、東京大先端科学技術研究センターなどの国際共同研究チームが突き止め、体質に関与しているのではないかと、23日付のイギリスの科学誌ネイチャーに発表したそう。ゲノム(全遺伝情報)の12%にあたる領域で個人差が見られると言うその発表ですが・・・ヒトの細胞には本来同じ遺伝子が二つあって、父親と母親から一つずつ(半分)子供に受け継がれると言われてきたんだけど、近年は・・・人によっては本来二つある遺伝子が一つしかなかったり、三つ以上ある場合もある事が研究によって明らかになってきているそう。
遺伝子研究がまた一歩前進したってわけですね・・・遺伝子はアデニン・グアシン・ウラシル・シトシンの4つが組み合わさった長い長い配列なんですが、ヒトは約2万5000個の遺伝子を持っていて、その約12%にあたる約3000個の遺伝子に個人差があるってわけなんです。超ミクロな世界だけど・・・徐々にいろいろな事が明らかにはなってきているんですよね~。
研究チームが、白人・アフリカ人・アジア人(日本人を含む)270人のゲノムを詳細に調べた結果、1447種の遺伝子の数に個人差が見つかって・・・それは免疫機能や薬の代謝に関わる部分で、個人の体質に関与しているのではないかと言う発表です。
これまでにも“アルツハイマー”など・・・病気の発症に関わる遺伝子はいくつか発表されていますが、免疫機能に関わる遺伝子が見つかった事で、ウイルスに感染しやすい個人差や、薬の副作用の発現の個人差などが明らかにされていくんじゃないかと思いますが、西洋医学の発達で・・・抗生物質投与による“治癒/体質の違い”を近年に産んだ結果かもしれません。
本来遺伝子が受け継がれる時に・・・書き写しの誤植もあるもので、劣性遺伝も頻繁に繰り返されて、より優良なものが生き残るように、環境に適合する種が生き残るように・・・古来からの生物種はそのように命を繋げて、過酷な環境の中で生き延びてきて来たのです。
ヒト遺伝子も長い時間をかけて適合性を高めてきたんだと思いますが、現代社会・・・1900年以後は科学技術が大きく進歩して、医学も飛躍的に進み・・・手術や抗生物質、不健康な食材摂取や社会環境のストレスなど・・・色々な影響が小さな細胞/遺伝子に少しづつ影響を与えて変化させてきたと言えるのかもしれません。その解りやすい1例として“アレルギー反応”があげられるんじゃないかと思います。 今回の発見は、一人一人の体質に合った「オーダーメード医療」の実現に向けた第一歩としているようですが・・・ その影響はさらに・・・少なからず遺伝子に傷をつけたり、変化させていく事になるかもしれません。
免疫機能に関する遺伝子の違いは、つまり外敵から“身を守る”という事にもなるわけですが、アレルギーを例にあげるとそれは過剰反応なんですよねぇ・・・
人の行動や思考に関与する遺伝子もだんだんと明らかにされてきていますが、鬱に関与しているらしい遺伝物質も解ってきています。脳に影響/思考に関与する遺伝子もいくつか解っていると思いますが、近年研究が進みつつある遺伝子治療は・・・さらに遺伝子に与えるかもしれない・・・。その影響は測りしえないのか?人はそれさえも制御してしまうのか?・・・
遺伝子に個人差を生んできたかもしれない医学/科学・・・医学はさらに医療的応用研究を進めようとしている・・・“人の健康”や“生命”と言うモノを人為的に・・・
そこには昨今の社会問題の片鱗が見え隠れしているような気がする・・・
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