徒然なるままに 平和と音楽を求めて

平和憲法のもと日本は戦争しない国として、いろんな国の国民から賞賛されてきた。この日本が戦争する国に変質しようとしている。

東混の合唱≪鴎≫≪筑後川≫≪土の歌≫を聴く

2010-03-03 | 音楽 クラシック
3月3日の午後、東京混声合唱団と東京交響楽団の「合唱とオーケストラの楽しみ~日本合唱名曲選」。「土の歌」を楽しみに東京オペラシティのコンサートホールへ。平日の午後というのに、3階まで満席。圧倒的に女性、「大地賛唱」を目当ての人がほとんどか。途中で、指揮の山田和樹さんが、「大地讃頌」を合唱したことのある方は手を挙げてといったら、会場の3分の2から4分の3が挙手。
最初は、武満徹の「混声合唱のための《うた》より」4曲。静かな出だしの「さくら」(A17)、2曲目は「見知らぬ人よ あなたは何処にいるのですか」と問いかける「島へ」。「○と△の歌」の「地ハマルイゼ 林檎ハアカイゼ 砂漠ハヒロイゼ ピラミッドハ三角ダゼ」と何かよくわからない歌詞の歌だが、地球はひとつ、みんな仲良くしようよと呼びかけているのか。「翼」は「風よ 雲よ 陽光(ひかり)よ」と呼びかけ、希望と自由を求める声が響く。
 「鴎」は三好達治が1946年の戦争直後に「つひに自由は彼らのものだ」と、戦争が終わったことを喜び歌いあげた詩に木下牧子さんが作曲した合唱。木下牧子さんの曲はCDでたくさんきいているが、この曲は初めて。
 團伊玖磨作曲の「筑後川」、源流から河口までを組曲で描いた曲、20分の曲。小さな川の流れが集まり、大きくなって、様々に自然の人間との交わりを通して河口へ。「その終曲ああ」のフィナーレに深い響き。
佐藤眞作曲の「カンタータ《土の歌》」26歳のときに作曲したという。土と大地を愛し、この大地を耕す農民を愛し、山河の恵みをかみしめ、大地を汚す人間の愚かさを告発するこの歌。もぐらと人間を歌い、戦争の狂気に怒り、平和な大地を求め、たたえるこの歌。東混の合唱が心にしみる。
アンコールは「大地讃頌」を観客と一緒に合唱。

山田和樹(指揮とお話) 
東京混声合唱団 
東京交響楽団
武満徹:混声合唱のための《うた》 より 「さくら」「島へ」「○と△のうた」「翼」
木下牧子:混声合唱とオーケストラのための《鴎》(1987/2008)
團 伊玖磨:混声合唱とオーケストラのための《筑後川》(1968/1974)
I.みなかみ II.ダムにて III.銀の魚 IV.川の祭 V.河口
佐藤 眞:カンタータ《土の歌》(1962/1986)
I.農夫と土 II.祖国の土 III.死の灰 IV.もぐらもち V.天地の怒り VI.地上の祈り VII.大地讃頌



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