「で、その失敗を目立たなくする方法を見つけた?」
「ううん、違うの。残念ながら、失敗した隙間や汚れは、隠そうとしても隠しきることはできないの。それどころか、下手に小細工しようとすると、かえって余計にあらが目立っちゃう」
「確かに、言われてみればそのとおりだ」
「でね、隠そうとするんじゃなくて、活かそうとするって決めたんだって。それがその作品にとってなくてはならないものにしちゃうってわけ」
いったい、どうやって? と、僕は視線で尋ねた。
ハルカは一瞬微笑み、そしてゆっくり言った。
「中に明かりを入れるの」
「中に明かりを?」
「そうよ。そうすると、その隙間は作品の欠点ではなく個性になるの。どんなにたくさん失敗によってできた隙間や傷があっても、そこから漏れる明かりのすべてが、その作品を美しく引き立たせる個性になる。内側に明かりを灯すことによってね」
『君と会えたから……』(喜多川泰 著)
「ううん、違うの。残念ながら、失敗した隙間や汚れは、隠そうとしても隠しきることはできないの。それどころか、下手に小細工しようとすると、かえって余計にあらが目立っちゃう」
「確かに、言われてみればそのとおりだ」
「でね、隠そうとするんじゃなくて、活かそうとするって決めたんだって。それがその作品にとってなくてはならないものにしちゃうってわけ」
いったい、どうやって? と、僕は視線で尋ねた。
ハルカは一瞬微笑み、そしてゆっくり言った。
「中に明かりを入れるの」
「中に明かりを?」
「そうよ。そうすると、その隙間は作品の欠点ではなく個性になるの。どんなにたくさん失敗によってできた隙間や傷があっても、そこから漏れる明かりのすべてが、その作品を美しく引き立たせる個性になる。内側に明かりを灯すことによってね」
『君と会えたから……』(喜多川泰 著)