Hei!(「ヘイ」って読んで「やあ」って意味)~義務教育世界一の秘密

義務教育世界一の国の教師養成の実態を探る旅。フィンランドの魅力もリポート!その他,教育のこと気にとめた風景など徒然に。

気持ちのいい二人

2011年06月01日 | 教育・研究・ひとの育ち
通勤のバス待ちのために並んで列をつくっていた時のこと。私の目の前の女性に「おはよう!」と声をかける女性が現れた。

様子からして友人の大学生らしいのだが,二人が一言二言話し始めた瞬間,私は「困ったな」と思ってしまった。「弱ったな」だったかもしれない。それは,ある注意をしなければならないかもしれないという不安がよぎったからだ。

というのは,以前同じような状況のそのときに,あとから来た大学生がそこでしゃべり込み,バスが来るとそのまま列の並びを無視してバスの中に入ってしまうことがあったからだ。簡単に言えば順番抜かしだが,一回や二回ではない。

さすがに私でも,目の前でそのような振る舞いが行われたときには,知らない若者ではあっても「きちんと後ろに並んでバスに乗りなさい」と注意したことがある。

しかし,自分と離れたところでそれが行われたときには,それもバスがやってきて列が動き出した状況で追いかけてまで注意することはしていない。

注意することはそれだけでエネルギーのいることだ。見知らぬ人に対してだったらなおさらだ。いろいろな(!)危険を冒してまで注意をするというより,できるだけ知らぬふりで関わらないのが得策というのが大方の正直な気持ちなのかもしれないとも思う。ホントはそれじゃあいかんのだが,敢えて注意をする負担感は小さくない。

ところが心配をよそに,後から来た女性は友人との話の後そのまま列の最後尾に歩みを進めた。注意せずにすんで,心の中では正直ほっとしていたと思う。そして目の前にいた女性はそのすぐあとに友人を追って同じく列の最後尾に並び直していた。当たり前といえば当たり前の行動なんだが,それがあまり期待できないこのご時世,とても気持ちの良い二人だった。


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