ゲイリーマンのカミングアウト的思考

長年サラリーマンしながらLGBT活動。45歳にしてフリー。同性愛者らが自分らしく生きられる社会を地方から目指す。ミラー版

ほとんど役には立たないパートナーシップ制度のこと

2021-12-08 01:34:28 | Weblog
自治体が同性カップルを公的に認め、結婚と同等とか家族の扱いができるようになると言われている自治体のパートナーシップ制度ですが、実際利用できる行政サービスはほとんど無い!ということを知っていますか?

これは、岡山市や徳島市の例です。
開いてよく見てください。これだけしかないの!?と驚くはずです。

岡山市でパートナーシップにより利用可能となる行政サービス
https://www.city.okayama.jp/kurashi/cmsfiles/contents/0000023/23134/hituyouichirann.pdf
岡山市でパートナーシップ制度以前より利用可能な行政サービス
https://www.city.okayama.jp/kurashi/cmsfiles/contents/0000023/23134/huyouichirann.pdf
徳島市でパートナーシップにより利用可能となる行政サービス(もともと利用可能な行政サービスも含む)
https://www.city.tokushima.tokushima.jp/kurashi/jinken/pa-tona-.files/2021040102.pdf

抜粋すると
・市営住宅の入居
・市営墓地の利用
・岡山市犯罪被害者等支援金(徳島市には制度が無い)
・救急搬送証明書の交付など限られた証明書の交付等

あたりでしょうか・・・
詳しくは上のURLを開いてみて欲しいですが、公務員の皆さんがひねくり返して見つけ出してきたのではないかと思える内容が並んでいて、情けなくなってきます。

市営住宅は誰でも入居できる物件だと思っている人もいるようです。
生活困窮者でなければ入居できません。ほとんどの方は対象外です。
それにカップル2人の世帯収入合計で見ても対象となるような事例というのはそうはないでしょう。
これはパートナーシップでなく市営住宅の決まりを緩やかにして対応したので十分です。

自治体の犯罪被害者等支援金は大規模な市でしか用意してないことが多いです。
徳島市も無いですが松山市もありません。
あったとしても、死亡時に30万、重症時に10万円の一時金のみです。

あと、良く言われている病院で家族扱いにしてもらえるようになるという話・・
これはその街の市立病院でのみの対応なんですね。(松山には市営病院がありません)
それ以外のほとんどすべての病院は対象外。
民間病院に対応してもらえることは相当困難なことです。
可能とされる公的病院ですら、生死に関わる場合に血縁者よりパートナーを優先するかどうかは怪しいと思われます。

さらに、びっくりするのは
岡山や徳島でも市立病院での扱いはパートナーシップ制度によって対応できるようになった訳ではないこと。
制度成立以前から柔軟に対応しているというじゃありませんか!
パートナーシップで病院も安心だ!という話は相当に誇張しすぎだろうと思います。
(ただし、パートナーシップが無くても柔軟に対応してくれる病院は既にあちこちにあるようですよ)

他、いくつか限られた証明書がパートナーの申請でも発行してもらえるという点ですが、これはもう委任状で済みそうな話ばかりです。

以上のように、ほとんど意味のない制度で当事者の生き辛さや困難が解消されるものではありません。
各地で導入された場合でも、似たようなものにしかならないでしょう。
これが自治体で出来る限界だということ。

大げさに伝えられ、まるで夢や希望のような制度に伝えられているパートナーシップ制度ですが、実際は信じられないくらい使えないものなのです。

自治体で出来ることの限界ですので、これから使えるサービスが増えて行くようなことは相当難しいでしょう。
もちろん法的根拠はまったくありませんから、法的な家族としての扱いや扶養、相続優遇などはまったくありません。

何も知らずに導入を喜んでいては大人として恥ずかしいことになります。
この制度ではリアルな自分たちの生活を防衛することはできないのです!
まともな当事者カップルは、こんなものでは利用を躊躇するのは当然です。
だからこそ利用者数も極端に少ない。

陳腐な制度でもLGBT当事者が望んだから・・とされては後々に影響があることから、レインボープライド愛媛では愛媛での導入を慎重に考えてもらうようお願いしています。
制度は使う人だけの問題ではないのです。

何よりカミングアウトしにくい大多数の当事者の立場に、寄り添ってない制度ですよ。
カップル優先で、一人ひとりの当事者を応援するものになってないことも違和感だらけなのです。







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