住宅街にほど近い通りに点在する雑居ビルの一角にオフィスを構えるナチュラルシェイドという探偵事務所にはオーナーの田辺68歳と43歳の宮下隆俊と、大手の探偵事業グループが開設している専門学校を卒業したばかりの坂野智美24歳しかいなかった。
坂野は高校卒業以後ずっとフリーターをしていたが2年前に、海外ミステリーを読んだことによりハードボイルドの世界への憧憬が膨らみ過ぎて探偵の養成所とでも言うべきような専門学校へ貯めていたアルバイト代全額をはたいて入学し無事に卒業した。そしてここにやってきた。
1階が中華料理店である3階建てのビルはJR御徒町駅が最寄り駅の古びた造りであった。内装などはお洒落にしたが、外観はいたって普通というか寂れている。昭和風味という言葉が適当であろうか。
その2階にナチュラルシェイドは存在していた。カタカナの事務所名と外観はいささか不釣り合いな物であった。
探偵事務所と聞けばミステリーやハードボイルドという非日常の響きがするのだが、そこでは犬や猫やウサギや鳥や爬虫類まで失踪してしまったペットや動物の調査・発見を専門としていた。たまに浮気調査や盗聴器などの発見などのどこでもがそうしている探偵事業もするが、失踪してしまったペットの調査・発見が事業の8割以上を占めていた。
オーナーの田辺が長年動物園に勤めていたことがその理由といっても過言ではなかったが、隙間産業としての他事務所との差別化の狙いもあったのだ。
首都高を宮下隆俊が運転するホンダのフィットが青空の下を走っていく。
助手席には失踪した犬の案件の資料が入ったクリアファイルを見ている坂野智美がいる。
首都高を降りて三軒茶屋に到着すると適当な駐車場を見つけてホンダのフィットをそこに停めた。車から降りると宮下隆俊は歩き出した。
クリアファイルを手に持ちながら坂野智美も宮下隆俊の少し後ろを歩く。
オーナーの田辺から電話が掛かってきた。宮下は携帯に出る。
「新しい情報が加わった。探すべきはポメラニアンの5才の♂そして茶色の毛並み、好物は鳥のササミ、あまり人懐っこくはないという事が依頼主からの基本情報であったが、背中の毛の真ん中あたりに10円ハゲがあるという事だ。実際には10円玉よりは大きいらしいが500円玉よりは小さい円形脱毛らしい。以上が依頼主からの追加連絡だ」
田辺の年齢よりかは若い声に
「了解」とだけ応え宮下は電話を切って携帯をスーツの胸ポケットに仕舞う。
坂野はクリアファイルの中の資料にその情報をペンでメモした。そして
「失踪の出発点いわば依頼主の家があるのは中目黒の駅近くの場所。そして飼い主がよく散歩していたコースは三軒茶屋方面。その駅付近までくると鳥のササミを与えることが多かったという・・」と資料を読み上げ宮下の背中を見る。
「そう、だからいま三軒茶屋を私たちは歩いている」と宮下は坂野に言った。坂野は「たしかにそうかもしれません・・・」と首を傾げながらも頷いた。
宮下も坂野もポメラニアンを見つけようとそれなりに気を配って歩いていたが、目にする事が出来たのは飼い主により紐でつながれている犬だけだった。
とりあえず休憩として宮下と坂野はコンビニの冷房で涼んだ。
ヘルシアを宮下はレジに持っていき店員に
「この辺に野良犬がいるという噂を聞きませんか?」と尋ねる。
店員は「存じ上げません」と言うと
ピッとバーコードを読み込んだ。宮下は一瞬たじろいだがすぐに体裁を立て直した。明智小五郎はこんなことで動揺するはずがないのだ。
コンビニの前で坂野はヘルシアを飲む宮下に「足で噂を聞いて探すだけで見つかるのですかね?」と言う。
「いままでそうして19年間やってきた。何匹ものペットを飼い主の元へと還らせた」と宮下はフチなしの眼鏡をキラリと光らせて、坂野の目を見ることもなく言うとペットボトルをゴミ箱に捨てまた歩き出した。坂野ははたして大丈夫だろうかという冷や汗を背中に感じ先を行く宮下のあとをついて行った。
6月の梅雨時とはいえもうほとんど夏だ。蒸し暑さに行方知れずのポメラニアンも動きを遅くしているはずだ。宮下はそう思いコンビニの袋を下げ歩いた。中には鳥のささみが入っている。猫用の物しか置いてなかったがそんなことを気にしていたらハードボイルドなんてやっていられないと、宮下は事務所の神棚の横に飾るようにして並べてある江戸川乱歩全集に想いを馳せる。
三軒茶屋をうろちょろと2人で探し回るのでは埒が明かないことに気付いて宮下と坂野は自衛隊の駐屯地の周りををそれぞれ手分けして行方の知れぬポメラニアンを探すことにした。
はじめからそうするべきなのになんだかな~と坂野は思ったが、押し黙り何を考えているかのよくわからない宮下の方を振り返りもせずに駐屯地の壁に沿いながら中目黒方面へと行く。
一方、宮下はハードボイルドにキメたと思っていたアルマーニのスーツの下にはびっしょりと汗をかいていた。坂野という女性の新入探偵が事務所に半年前に来た時からどう話しをしていいか全くわからなかった。
彼にとっての探偵としてのハードボイルド雰囲気はそんな女性にな臆病な自らを覆う為の隠れ蓑にしか過ぎないものになってしまっていたのだ。
1人で探偵の実務をこなしていた時はハードボイルドな心象風景にただ落ち着かせていれば失踪したペットは自然と見つかった。数人の近隣の住民に野良犬や野良猫の噂を聴き込みして、あとは彼らの好物を明智小五郎になりきって閃いた場所に置く。ただそれだけだった。神棚の横の江戸川乱歩全集をその度に宮下は拝んだ。
自衛隊の駐屯地の壁はそんなに長く作られていた訳ではなく宮下の行く手をすぐに未開の土地へと放った。
外国製のクールビズはあまり風の通しが効いていないように思えた。
坂野は駐屯地をだいぶ離れて中目黒の方へと行くと電柱下に丸くなり寝そべっている茶色の犬を見つけた。驚かさないように近付く。背中に10円玉よりはだいぶ大きくなった円形脱毛があった。さらに近付いて持ち上げようと手を腹の下に入れようとした。背中に円形脱毛がある茶色のポメラニアンはギャッと吠えて立ち上がると一目散に中目黒とは反対方面のいままで坂野があるいてきた道を走っていってしまった。ちくしょうと心の中で坂野は思い携帯電話を宮下に掛けた。
「なかなか見つからないな。そっちはどうだ!?」と疲れているが悠長な宮下の声がした。坂野はせっかく見つけたポメラニアンを取り逃がしたことも合間ってイラッとして
「自衛隊の駐屯地方面にポメラニアンが走っています」と語気を強めて言った。
「見つけちゃったのか・・・」と宮下は残念そうに言ったが手元の鳥のササミをとりあえず開けて駐屯地方面へと急いだ。坂野は電話を切り携帯をバッグにしまうとポメラニアンを追った。
自衛隊の駐屯地の門の前まで来て宮下は明智小五郎と江戸川乱歩全集を思い浮かべた。そして鳥のササミの開いた缶をアスファルトの地面に置いた。そこで腕を組み、ハードボイルドを意識して立ち尽くしていた。空気は静まりかえって時が止まっているようにさえ感じた。
3分後舌を出してハァハァと息を切らせながら、チャカチャカと道路を走る茶色のポメラニアンと「待て~」と言いながらそれを追う必死の形相の坂野が怒涛に、自衛隊の駐屯地前の立ち尽くしている宮下に向かって走ってきた。宮下の足元には鳥のササミの缶が置いてある。
ポメラニアンは鳥のササミの缶を蹴飛ばすとそのまま先へと行ってしまった。坂野は宮下の前で膝に両手をつき肩で息をしている。
「大丈夫か!?」と宮下は混乱していたが精一杯のハードボイルドな声で坂野に声をかけた。
「大丈夫なわけないでしょ」と坂野は苦しそうに言った。
宮下は鳥のササミの缶を拾うと
「事務所に帰ろう・・・」と坂野に言い駐車場へと歩き出した。
坂野はハードボイルドなんて読まなきゃ良かったと思って宮下の少し丸まった背中を見ながら歩いた。
その日はホンダのフィットで事務所まで帰った。宮下は田辺にポメラニアン取り逃がしましたと言い神棚の横の江戸川乱歩全集を改めて拝んだ。
田辺は「そうかまぁそんなこともあるよな」と落ち込む宮下と坂野に言った。坂野はポメラニアンを取り逃がした苛立ちが収まってきていた。そして家に帰ると本棚のエドガー・アラン・ポー全集から1冊とってソファーに座り読んだ。ハードボイルドの世界はやっぱり面白いとクスッと笑った。
宮下はアパートに帰るなりスーツを脱いでシャワーを浴びた。そして出ると発泡酒を呑んでいた。携帯の着信が鳴る。それをとると
「あぁあのポメラニアン依頼主の中目黒の家に帰ってきたって」と田辺の元気な声がした。宮下はTシャツにボクサーパンツでソファーに座ってまた一口発泡酒を呑んだ。そして明智小五郎を思い浮かべて、ハードボイルドってやつは難しいなぁとため息をついた。
それから失踪したペット捜索の主導権は坂野が持ち、宮下隆俊は19年目にしてペット捜索探偵業務の下働きに戻った。最初に田辺の元でそうしていたように。
宮下隆俊はハツラツと探偵業務をこなす坂野智美の姿を見つめながら、笑顔で「やれやれ」とつぶやく日々を幸せに思い江戸川乱歩全集と明智小五郎と田辺に感謝した。
※フィクションであり実在のものとはあまり関係ありません!(◎_◎;)たぶん
坂野は高校卒業以後ずっとフリーターをしていたが2年前に、海外ミステリーを読んだことによりハードボイルドの世界への憧憬が膨らみ過ぎて探偵の養成所とでも言うべきような専門学校へ貯めていたアルバイト代全額をはたいて入学し無事に卒業した。そしてここにやってきた。
1階が中華料理店である3階建てのビルはJR御徒町駅が最寄り駅の古びた造りであった。内装などはお洒落にしたが、外観はいたって普通というか寂れている。昭和風味という言葉が適当であろうか。
その2階にナチュラルシェイドは存在していた。カタカナの事務所名と外観はいささか不釣り合いな物であった。
探偵事務所と聞けばミステリーやハードボイルドという非日常の響きがするのだが、そこでは犬や猫やウサギや鳥や爬虫類まで失踪してしまったペットや動物の調査・発見を専門としていた。たまに浮気調査や盗聴器などの発見などのどこでもがそうしている探偵事業もするが、失踪してしまったペットの調査・発見が事業の8割以上を占めていた。
オーナーの田辺が長年動物園に勤めていたことがその理由といっても過言ではなかったが、隙間産業としての他事務所との差別化の狙いもあったのだ。
首都高を宮下隆俊が運転するホンダのフィットが青空の下を走っていく。
助手席には失踪した犬の案件の資料が入ったクリアファイルを見ている坂野智美がいる。
首都高を降りて三軒茶屋に到着すると適当な駐車場を見つけてホンダのフィットをそこに停めた。車から降りると宮下隆俊は歩き出した。
クリアファイルを手に持ちながら坂野智美も宮下隆俊の少し後ろを歩く。
オーナーの田辺から電話が掛かってきた。宮下は携帯に出る。
「新しい情報が加わった。探すべきはポメラニアンの5才の♂そして茶色の毛並み、好物は鳥のササミ、あまり人懐っこくはないという事が依頼主からの基本情報であったが、背中の毛の真ん中あたりに10円ハゲがあるという事だ。実際には10円玉よりは大きいらしいが500円玉よりは小さい円形脱毛らしい。以上が依頼主からの追加連絡だ」
田辺の年齢よりかは若い声に
「了解」とだけ応え宮下は電話を切って携帯をスーツの胸ポケットに仕舞う。
坂野はクリアファイルの中の資料にその情報をペンでメモした。そして
「失踪の出発点いわば依頼主の家があるのは中目黒の駅近くの場所。そして飼い主がよく散歩していたコースは三軒茶屋方面。その駅付近までくると鳥のササミを与えることが多かったという・・」と資料を読み上げ宮下の背中を見る。
「そう、だからいま三軒茶屋を私たちは歩いている」と宮下は坂野に言った。坂野は「たしかにそうかもしれません・・・」と首を傾げながらも頷いた。
宮下も坂野もポメラニアンを見つけようとそれなりに気を配って歩いていたが、目にする事が出来たのは飼い主により紐でつながれている犬だけだった。
とりあえず休憩として宮下と坂野はコンビニの冷房で涼んだ。
ヘルシアを宮下はレジに持っていき店員に
「この辺に野良犬がいるという噂を聞きませんか?」と尋ねる。
店員は「存じ上げません」と言うと
ピッとバーコードを読み込んだ。宮下は一瞬たじろいだがすぐに体裁を立て直した。明智小五郎はこんなことで動揺するはずがないのだ。
コンビニの前で坂野はヘルシアを飲む宮下に「足で噂を聞いて探すだけで見つかるのですかね?」と言う。
「いままでそうして19年間やってきた。何匹ものペットを飼い主の元へと還らせた」と宮下はフチなしの眼鏡をキラリと光らせて、坂野の目を見ることもなく言うとペットボトルをゴミ箱に捨てまた歩き出した。坂野ははたして大丈夫だろうかという冷や汗を背中に感じ先を行く宮下のあとをついて行った。
6月の梅雨時とはいえもうほとんど夏だ。蒸し暑さに行方知れずのポメラニアンも動きを遅くしているはずだ。宮下はそう思いコンビニの袋を下げ歩いた。中には鳥のささみが入っている。猫用の物しか置いてなかったがそんなことを気にしていたらハードボイルドなんてやっていられないと、宮下は事務所の神棚の横に飾るようにして並べてある江戸川乱歩全集に想いを馳せる。
三軒茶屋をうろちょろと2人で探し回るのでは埒が明かないことに気付いて宮下と坂野は自衛隊の駐屯地の周りををそれぞれ手分けして行方の知れぬポメラニアンを探すことにした。
はじめからそうするべきなのになんだかな~と坂野は思ったが、押し黙り何を考えているかのよくわからない宮下の方を振り返りもせずに駐屯地の壁に沿いながら中目黒方面へと行く。
一方、宮下はハードボイルドにキメたと思っていたアルマーニのスーツの下にはびっしょりと汗をかいていた。坂野という女性の新入探偵が事務所に半年前に来た時からどう話しをしていいか全くわからなかった。
彼にとっての探偵としてのハードボイルド雰囲気はそんな女性にな臆病な自らを覆う為の隠れ蓑にしか過ぎないものになってしまっていたのだ。
1人で探偵の実務をこなしていた時はハードボイルドな心象風景にただ落ち着かせていれば失踪したペットは自然と見つかった。数人の近隣の住民に野良犬や野良猫の噂を聴き込みして、あとは彼らの好物を明智小五郎になりきって閃いた場所に置く。ただそれだけだった。神棚の横の江戸川乱歩全集をその度に宮下は拝んだ。
自衛隊の駐屯地の壁はそんなに長く作られていた訳ではなく宮下の行く手をすぐに未開の土地へと放った。
外国製のクールビズはあまり風の通しが効いていないように思えた。
坂野は駐屯地をだいぶ離れて中目黒の方へと行くと電柱下に丸くなり寝そべっている茶色の犬を見つけた。驚かさないように近付く。背中に10円玉よりはだいぶ大きくなった円形脱毛があった。さらに近付いて持ち上げようと手を腹の下に入れようとした。背中に円形脱毛がある茶色のポメラニアンはギャッと吠えて立ち上がると一目散に中目黒とは反対方面のいままで坂野があるいてきた道を走っていってしまった。ちくしょうと心の中で坂野は思い携帯電話を宮下に掛けた。
「なかなか見つからないな。そっちはどうだ!?」と疲れているが悠長な宮下の声がした。坂野はせっかく見つけたポメラニアンを取り逃がしたことも合間ってイラッとして
「自衛隊の駐屯地方面にポメラニアンが走っています」と語気を強めて言った。
「見つけちゃったのか・・・」と宮下は残念そうに言ったが手元の鳥のササミをとりあえず開けて駐屯地方面へと急いだ。坂野は電話を切り携帯をバッグにしまうとポメラニアンを追った。
自衛隊の駐屯地の門の前まで来て宮下は明智小五郎と江戸川乱歩全集を思い浮かべた。そして鳥のササミの開いた缶をアスファルトの地面に置いた。そこで腕を組み、ハードボイルドを意識して立ち尽くしていた。空気は静まりかえって時が止まっているようにさえ感じた。
3分後舌を出してハァハァと息を切らせながら、チャカチャカと道路を走る茶色のポメラニアンと「待て~」と言いながらそれを追う必死の形相の坂野が怒涛に、自衛隊の駐屯地前の立ち尽くしている宮下に向かって走ってきた。宮下の足元には鳥のササミの缶が置いてある。
ポメラニアンは鳥のササミの缶を蹴飛ばすとそのまま先へと行ってしまった。坂野は宮下の前で膝に両手をつき肩で息をしている。
「大丈夫か!?」と宮下は混乱していたが精一杯のハードボイルドな声で坂野に声をかけた。
「大丈夫なわけないでしょ」と坂野は苦しそうに言った。
宮下は鳥のササミの缶を拾うと
「事務所に帰ろう・・・」と坂野に言い駐車場へと歩き出した。
坂野はハードボイルドなんて読まなきゃ良かったと思って宮下の少し丸まった背中を見ながら歩いた。
その日はホンダのフィットで事務所まで帰った。宮下は田辺にポメラニアン取り逃がしましたと言い神棚の横の江戸川乱歩全集を改めて拝んだ。
田辺は「そうかまぁそんなこともあるよな」と落ち込む宮下と坂野に言った。坂野はポメラニアンを取り逃がした苛立ちが収まってきていた。そして家に帰ると本棚のエドガー・アラン・ポー全集から1冊とってソファーに座り読んだ。ハードボイルドの世界はやっぱり面白いとクスッと笑った。
宮下はアパートに帰るなりスーツを脱いでシャワーを浴びた。そして出ると発泡酒を呑んでいた。携帯の着信が鳴る。それをとると
「あぁあのポメラニアン依頼主の中目黒の家に帰ってきたって」と田辺の元気な声がした。宮下はTシャツにボクサーパンツでソファーに座ってまた一口発泡酒を呑んだ。そして明智小五郎を思い浮かべて、ハードボイルドってやつは難しいなぁとため息をついた。
それから失踪したペット捜索の主導権は坂野が持ち、宮下隆俊は19年目にしてペット捜索探偵業務の下働きに戻った。最初に田辺の元でそうしていたように。
宮下隆俊はハツラツと探偵業務をこなす坂野智美の姿を見つめながら、笑顔で「やれやれ」とつぶやく日々を幸せに思い江戸川乱歩全集と明智小五郎と田辺に感謝した。
※フィクションであり実在のものとはあまり関係ありません!(◎_◎;)たぶん