僕はその日、吉祥寺の肉屋の行列に並ぼうか迷っていた。行列はとても長くまるで話題の新作映画が封切りされるかのような熱気さえ帯びて、僕の歩行進路をUターンさせた。アーケードになっている商店街にはエクセルシオールがあり僕は270円ほどの金銭をパートタイマーの女性に渡すと、プラスチックケースのカフェモカを持って螺旋している深緑色の階段を上がって2階の窓際の席へとそれを置いた。そのままトイレへと向かう。たいていチェーンの喫茶店というものはトイレがいつも埋まっている。男性用・女性用限らずだ。ときに男女兼用のトイレがあったりもする。そんなときに入り口で待つのは気恥ずかしく、出てきた女性とすれ違うのは所在ないことこの上ないことである。しかしその日の吉祥寺のエクセルシオールのトイレは違った。すんなりと入れた。ドアを開け鍵を閉め用を足すと狭苦しいなかにある白い大理石の洗面台で手を洗う。
水を入れて、ノンカロリーのピンクの表示のあるガムシロップとコーヒーフレッシュとウェットティッシュを取ると窓際の席に腰かける。まずはアイスカフェモカのプラスチックの透明の蓋を取り、カチッとガムシロップとミルクを開けて一気に流し込む。殻になったガムシロップの上にミルクケースを重ね置く。ビニールを破いてウェットティシュを取り出し指についたガムシロップとミルクの飛沫を拭った。
カフェモカを飲むストローは緑色で液体がそこを通ると夕方の空に急に太陽が沈んでしまったような仄暗さになる。カフェモカの苦味に逆に喉が渇くだろうと思い水をもってきておいて良かった。歩行状態から一度腰を落ち着けると、立ち上がりたとえ水を一杯くんでくることさえ行列に何時間も並ぶこととそう変わらないくらいの面倒くささを感じてしまう。
水を飲んでみると檸檬の味がする。カフェモカをそして少し飲んで、窓から下のアーケード通りを覗いた。
前にはドラッグストアなのだが、カップラーメンやポテトチップスやチョコレート菓子の安売りワゴンを出し、上半分だけ切り取ったペットボトルの入った段ボールを重ねて、すでにスーパーマーケットと化した店を見つめる。
僕は水を飲み干し、カフェモカを右手で持ちながら籐椅子に腰かけて店舗を忙しく駆け回るアルバイトの店員を見ていた。カフェモカを空にすると、そのまま立ち上がり、プラスチックケースをゴミ箱に放り込み、螺旋している階段を降りてエクセルシオールを出る。「いらっしゃっいませ~」と叫ぶ僕よりかは若いアルバイト店員を尻目にアーケードをまだそのまま直進する。
アーケードの横に行くとゲームセンターの前に吉野家がありそこで腹ごしらえして、ゲームセンターのビートマニアを100円でやってみたのだが、ユーロビートを難易度マックスにしてしまったようで、お手上げだと思ったから、近くにいた少年にそれを託した。少年は6つのボタンを凄まじい速さと正確さでさばきその店のハイスコアを更新したようだった。ゲームセンターの店員から少年に景品が手渡されるのを見送ると、僕はまた通りを歩いた。
水を入れて、ノンカロリーのピンクの表示のあるガムシロップとコーヒーフレッシュとウェットティッシュを取ると窓際の席に腰かける。まずはアイスカフェモカのプラスチックの透明の蓋を取り、カチッとガムシロップとミルクを開けて一気に流し込む。殻になったガムシロップの上にミルクケースを重ね置く。ビニールを破いてウェットティシュを取り出し指についたガムシロップとミルクの飛沫を拭った。
カフェモカを飲むストローは緑色で液体がそこを通ると夕方の空に急に太陽が沈んでしまったような仄暗さになる。カフェモカの苦味に逆に喉が渇くだろうと思い水をもってきておいて良かった。歩行状態から一度腰を落ち着けると、立ち上がりたとえ水を一杯くんでくることさえ行列に何時間も並ぶこととそう変わらないくらいの面倒くささを感じてしまう。
水を飲んでみると檸檬の味がする。カフェモカをそして少し飲んで、窓から下のアーケード通りを覗いた。
前にはドラッグストアなのだが、カップラーメンやポテトチップスやチョコレート菓子の安売りワゴンを出し、上半分だけ切り取ったペットボトルの入った段ボールを重ねて、すでにスーパーマーケットと化した店を見つめる。
僕は水を飲み干し、カフェモカを右手で持ちながら籐椅子に腰かけて店舗を忙しく駆け回るアルバイトの店員を見ていた。カフェモカを空にすると、そのまま立ち上がり、プラスチックケースをゴミ箱に放り込み、螺旋している階段を降りてエクセルシオールを出る。「いらっしゃっいませ~」と叫ぶ僕よりかは若いアルバイト店員を尻目にアーケードをまだそのまま直進する。
アーケードの横に行くとゲームセンターの前に吉野家がありそこで腹ごしらえして、ゲームセンターのビートマニアを100円でやってみたのだが、ユーロビートを難易度マックスにしてしまったようで、お手上げだと思ったから、近くにいた少年にそれを託した。少年は6つのボタンを凄まじい速さと正確さでさばきその店のハイスコアを更新したようだった。ゲームセンターの店員から少年に景品が手渡されるのを見送ると、僕はまた通りを歩いた。