音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

♪クラシック音楽の伝統を受け継ぐ真の音楽芸術家を目指して活動しています♪ 「YouTubeクラシック音楽道場」も更新中♪

◆「豊かな響き」の演奏をするためには!?

2010年10月19日 | ◆一言◆
.                        Ferruccio Busoni (4,1,1866 - 7,27,1924)

ピアノ演奏において、
(ピアノに限らずも)

「豊かな響き」ある音が出せたら、
いいものですよね、皆のあこがれ。


それに関する、
眼からうろこの興味深い文章をひとつ、
ご紹介したく思います。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「或る時、私はブゾーニに、彼の演奏では
どうしてあのような響きが出るのか、とたずねました。


彼はこう答えました・・・


『それはまったく簡単な秘密ですよ。

いいですか、
他の人たちがフォルテで弾くところに、
私はメゾフォルテを置いているのです。』


だから、彼は強度の目盛をさげていたのです。


弱音をさらに下へとおさえることはできるが、
強音(フォルテ)に対しては限界があります。 ―――」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
E.フィッシャー著『音楽観想』より抜粋



これは、久しぶりに、
愛書『音楽観想』を開いてみて、目に飛び込んできた文章でした。

もちろん!!19世紀後半から20世紀初頭に大活躍したピアノの巨匠ブゾーニたる者、
人並みはずれた強靭な手・指を持っていたであろうことは想像されます。
(あの有名なブゾーニ編曲ピアノ独奏用バッハの《シャコンヌ》を思い返してみれば明らかでしょう・・・)

それにしても、
そんな彼が、ピアノを弾きながら考えていたことが、
「フォルテ」を、がむしゃらに大きく弾くことなく、むしろ
「メゾフォルテ」くらいに敢えて考えてコントロールしていたという
興味深い工夫・・・


大音量奏者ブゾーニの名にとらわれることなく、
「まさか、あのブゾーニが音量を抑えていたなんて!?」
という疑いをちょっとおさめて、
今一度、
そんな名人の技の工夫について、我々自身の演奏を
振り返ってみてもいいのかもしれません。


勇気を持って、「フォルテ」を「メゾフォルテ」に抑えてみる、という。


いやはや・・・これは、実に「勇気」のいることと思いますが。


実践してみたら、もしかすると、あなたも
巨匠に域に達することができるのかも・・・!?






★追記

ふと思い出したのですが、
マンガ『のだめカンタービレ』の登場人物、
名教師(!?)ハリセン先生が

「フォルテや!!フォルテや!!」

と、フォルテをより強調させようと指導するのは、
このブゾーニの逸話の逆の方向みたいですね(笑)

だからこそ、
千秋先輩がさっさとハリセン門下を去ったは当然のこと!?














コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ◆なぜ「ナポリの6」と呼ばれ... | トップ | ◆2010年ショパン国際ピアノコ... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。