音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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◆“《展覧会》 心の準備は 《111》で”

2008年05月01日 | ベートーヴェン Beethoven
今回の表題は、なんだかキレイな「575」が出来上がりました(笑)



“《展覧会》 心の準備は 《111》で”



《展覧会》とは、
ムソルグスキー作曲のピアノ独奏曲《展覧会の絵》のことで、
《111》とは、
ベートーヴェン作曲の最後のピアノソナタ《第32番 ハ短調 op.111》
のことを意味します。


これから数ヶ月かけて、
19世紀ロシアの作曲家ムソルグスキーの名作《展覧会の絵》
を演奏する機会が続きますが、実は、思い返せば
この曲を自分が以前弾いたのは6年前のことでした。


ドイツでの留学生活を経て昨年日本に戻ってきて、
一体自分はどれほどの成長を遂げることが出来たのか、
昔弾いたことのある曲を再び取り上げるということは、
そうした成長過程を痛感する瞬間でもあります
(あるいは、昔とそう変わらないということも!?
 あるいは、昔の良くない癖をそのまま復活させてしまう
 危険性も無くはないかもしれず、そういう意味においては
 昔弾きなれたレパートリーを再び演奏する難しさというものが
 少なからずあるのかもしれません・・・)


それはさておき、
久しぶりに《展覧会の絵》という大作(演奏時間およそ35分)
を取り上げるにあたって、演奏にあたる際の
心の準備というものが必要であることを感じるのです。


先日の勝田台でのコンサートは、
これから先の《展覧会の絵》を演奏するにあたっての
駆け出しとも言えるもので、気合が入りました。


なぜだろう、思いつきなのか、
ふとしたインスピレーションだったのか、
この作品を弾くためにさらなる集中力を
導き出してくれる作品を探していたら、


ベートーヴェン最後のピアノソナタ《32番 ハ短調 op.111
のことを思いついたのでした。


魂の昇華される様を描いたと思われるこの作品を
通して弾き終わると、いつも、呆然と、
心はどこか違う世界へ足を踏み入れたようになってしまいます・・・


そして、
《展覧会の絵》を弾き始める。


力強く、大手を振って、去りし魂の凱歌のように!?


この《展覧会の絵》という音楽は、
作曲者ムソルグスキーの友人ガルトマンの死が
大きく関わっていることは有名ですが、
このガルトマンの死からしばらくして、
画家・デザイナー・建築家であった彼の作品展が催され、
そこをたずねたムソルグスキーはインスピレーションを受け、
ピアノ曲《展覧会の絵》を一気に書き上げたと伝わっています。


少なからず、「魂」「人間の生命」を題材とした
これらの名曲には、少なからぬ精神的な共通点が
あるのかもしれません。




“《展覧会》 心の準備は 《111》で”




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