音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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◆徹底検証・ショパン《ワルツ 第7番 嬰ハ短調 op.64-2》 ~ (1)曲の速さ「Tempo giusto」とは!?

2011年11月04日 | ショパン Frederic Chopin
ショパン作曲《ワルツ 第7番 嬰ハ短調 op.64-2》



曲を始めるにあたって、
その最初の音を弾きはじめる前から注意を惹くのが
この作品の「テンポ指示」ではないでしょうか。


Tempo giusto


日本語に直すと
「ちょうどのテンポ(速さ)」
ということになりましょうか。


この指示の言葉は、なんとも
微妙・絶妙ではないでしょうか!?


「ちょうど」とは!?


もちろん、
この曲は「ワルツ」。

ワルツといえば、もちろん「舞曲」の一種であって、
この作品の題名が「ワルツ」とあるのだから、
「Tempo giusto」とは当然、
自然な踊り「ワルツのテンポ」となるよう
指示されていることになりましょう。


「ちょうど良いワルツのテンポ」


・・・と言われても、
これまた、なんとも困るものではないでしょうか・・・


まるで、お料理において
「ちょうどよい塩加減で」
なぞと曖昧にレシピに記載されているようなもの!?

人によって(地域によって!?)塩加減の好みが違ったり、
いやしかし、
料理の名人の手にかかるならば、
「これぞ、ちょうどよい塩加減」
という絶妙なところがあるのかもしれず!?

ゆえに、
この音楽における「ちょうどの速さ」とは、
ワルツという音楽に精通した「名人的加減」を心得たテンポ
を要求されていると、解釈することができるのかもしれません。

作曲者ショパン本人が、
晩年に到っていたであろう名人の境地からして、
「ちょうどのテンポで弾いてね」という指示は、
実に的を得ているようでもあり、また、
我々凡人には一朝一夕では到達できない!?高い芸術性というものを、
この「Tempo giusto」という表記から見出せるような気もいたします。


ワルツとしての絶妙なテンポというものを
習得して演奏したいものです。






★追記:
もしかすると、
舞曲であるからには、このワルツのステップを自ら踏んでみて、
自然に三拍のステップが踏めるテンポというものを見付けることができたならば、
それがその人にとってのワルツの「Tempo giusto」といえるのかもしれません。

是非とも一度は踊るべき!?




★追記2:
さらにもうひとつ、ワルツのテンポで心当たりがあるのは、
《ワルツ》という、クラシック音楽における人気度の高いジャンル!?
その代表的な名曲から、
「ちょうどよいワルツのテンポ」というものを
参考までに知ることが出来るかもしれません。


今、思い当たるあたりでは、
やはりなんといってもワルツ王:ヨハン・シュトラウス作曲の

《青きドナウ》

は、ワルツという音楽の最高のお手本と言えるのではないでしょうか。


もうひとつ気になるのは、
晩年(←こちらもまた!?ショパンと同じく名人の境地!?)の
チャイコフスキーの書いたバレエ《くるみ割り人形》の終曲、

《花のワルツ》

もまた、最高に美しいワルツという音楽のお手本として
挙げてもよいような気がいたします。



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