ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

コーヒー焙煎

2019年02月18日 | 食べ物


身近にコーヒー焙煎とカフェをやりたいという人間がいて、そのコーヒー焙煎の話を聞いてみた。話を聞いて分かったことがいくつかあった。焙煎の仕方にその時の流行りがあり、一時深い焙煎のフレンチロースト一辺倒だったのが、今はその反動もあり浅炒りがトレンドらしい。そしてその反深煎りの理由というのは豆の個性を生かすため。確かにフレンチローストくらいだと、苦味が強く豆の個性はあまり感じない。浅炒りだと産地により酸味が強い、花の香りがするとかいろんな風味の違いが出てくる、らしい。この辺り今のクラフトビール流行りと呼応している。クラフトビールもフルーティーとか色んな風味を売りにしている。

コーヒー専門店でバイトした当時は、そもそもフレンチローストなどの深煎りはなく、基本浅目でストレートコーヒーが大流行りの頃だった。産地やら港の名前がごっちゃで、例えばモカ、コロンビア、キリンマンジャロ、マンデリンと大雑把だった。それらの豆は確かに違いがあったが、その違いが常に分かるかというそんなことはなく、飲んでる人間も名前で飲んでいたという現実がある。そしてそのストレートコーヒーの流行りも徐々にすたれてきて、フレンチロースト、イタリアンローストなどを売りにするカフェが台頭してきて世の中深煎りがスタンダードになってきた。これはコーヒーというのは苦味と香りを味わうものという原点回帰ともいえる。そして再び浅炒り。

個人的には、浅炒りは定着しないと思う。細かな差異を求める人間はいるだろうが、それらはある時点で美味い不味いの範疇を超え、他の人からするとどっちでもいいの世界に突入する。結局流行りと原点回帰の繰り返しになると思う。クラフトビールに関しても同じだと思う。違いはあるが、それが大枠で美味いかどうかが問題だ。嗜好品は特に細かな差異に向かう傾向がある。趣味の世界だ。
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