NHKスペシャルで、幻の蝶「ブータンシボリアゲハ」を追う調査隊を取り上げていた。70何年前に確認され以来、ずっと確認されず幻と呼ばれていたのだが、最近目撃情報があり、日本の調査隊が乗り込むことになったのだ。何ゆえ日本かというと、興味を持っている蝶の専門家は世界の中でも日本が圧倒的に多いからだ(多分)。要するに、蝶好きがいやに多いのがわが国日本だ(他人事ではない)。
国からして秘境のブータンの、更に秘境を、一週間かけて行く情熱は計り知れないものがある。今回は、成虫の確認と生態を知るのが目的。成虫のほうは、割りにすんなり見つかった。蝶好きであれば、第一印象は「ホソオチョウ」に似ている、ではなかろうか。飛び方も似ているし。となると、食草は「ウマノスズクサ」となるはずだが、テレビではその辺りをまるで手探りで苦労して探しているように描いていた。ここは、ちょっと怪しい。結果的には、「ウマノスズクサ」を探し当てたという風に作っていたが、実際はどうなのか疑問の残る所だ。
それより見てて気になったのは、調査隊のメンバーの年齢だ。一人を除いて70近い人ばっかりで、長い捕蝶網を操る体力が大丈夫か、と思ってたが、やはり大丈夫ではなかった。こんなところでも、蝶好きの高齢化を感じた。昔と違い、若い次世代がいないのだ。これは競輪ファンと同じである(もう少し良い喩えがあるだろうに)。しかし、この年代の蝶に対する思いは、その体力を補って余りあるものであった。
後は、ブータンの環境保全省(のような組織)に委ね調査は終了した。文化環境に対してはかなり厳しく守るブータンでは、多分この先も良い状態で「ブータンシボリアゲハ」の環境は保たれていくだろう。
写真は、ブータンシボリアゲハとは全く関係ない多分ヤママユのぼろぼろ個体(ほぼ原寸)。大きさだけは近い、かも。
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