T君に合鴨の胸肉を貰いそれをソテーした。初めて取り寄せたタイ産の合鴨を味見してほしいということだったのだ。個人的には以前(もう十五六年前)スーパーでタイ産を買ったことがあり、その時のものは臭くて食べられなかった。T君も同じような経験があり、タイ産と言うのがちょっと気になっていたというわけだ。
合鴨は黒コショウをたっぷりでソテーして、付け合わせに手元にあったズッキーニとジャガイモを同じフライパンで一緒にソテー(カモの脂を染み込ませる)。皮目はしっかり焼き、焼き加減はミディアムに(としたかったがちょっと焼き過ぎだった)。塩は食べる時にかける。でビストロ料理完成。問題のタイ産の合鴨は普通に美味かった。付け合わせと一緒に食べれば、格好だけのフランス料理屋のちまちましたカモとピントの合わないソースの鴨料理より全然美味かった。昔と違って今は、タイ産と言っても日本の会社が品質もチェックしているのだろう。
台所に入る瞬間、何か異臭を感じた。何の臭いかいまいち分からないが兎に角異臭。何かが腐った臭いの手前くらいの匂いと言うのが一番近いか。そこで発生源を探す。戸の隙間とか、主に床面上を。しかし見つからない。臭いそのものは、丁度立った時の鼻の位置くらいで感じるので今度は上方面をチェック。棚を見上げると、いつ仕掛けたか忘れた粘着シートがあった。早速確認する。やはり引っかかっていた、ネズミが。しかも本格的に腐る前の、そんなに日にちが経ってない状態のネズミが。早速回収してごみ箱に。
古民家はネズミに関しては不可避。だから常に粘着シートや毒餌は仕掛けている。すると今回のように忘れたころに引っ掛かるということになる。毒餌の場合は、変なところからの異臭、或いはミイラがみつかりその効果を感じる。