毎週見ている「人生の楽園」という番組。
長年、西田敏行さんが、菊池桃子さんと共にナレーションを務めてきた。
先日まで、生前収録済みだった番組を不思議な気持ちで見ていたのだけど、とうとう、そのストックもなくなったようで、ついに別の人に変わった。今はまだ、仮なのかもしれないけれど、やはり寂しさがつのるとともに、内容があまり入ってこなかった。。。
西田さんのナレーションは、恐らくこの番組くらいかな?
あのままの、人懐こい独特な雰囲気。番組に登場する一般の方たちを見守るような温かさがあった。
それが心地よかったので。。。
仕方のないことなのだけど。
後任は誰なのかな?
個人的に思う方は何人かいるけれど、あえて書かず、楽しみに待ってます。
前置きが長くなりましたが、今回の件で、ナレーションって、番組のテイストを左右する、重要な役割だなぁと改めて感じました。
なにげなく聞いてる印象ですが、いざ変わってみると、国民的アニメの声優が変わるのと同じくらい、大きな存在。
なんというか「この番組はこの人!」という感じの。
思い浮かぶ作品だと
「プロジェクトX」は田口トモロヲさん
「情熱大陸」のようなドキュメントは、窪田等さん
「サラメシ」の独特な言い回しは中井貴一さん
などなど。
昔、ナレーションと言えば、
アナウンサー出身(特に芥川隆行さんは印象的でしたね。女性だと城ヶ崎祐子さん好きです)
ナレーター専門職のような方たち(窪田さんや、槇大輔さんなどなど)
DJさん(クリス・ペプラーさんや坂上みきさんなどなど)
声優さん(中村正さんや若山弦蔵さん、キートン山田さん、平野義和さんなどなど数知れず)
と、区分けするのも難しいけど、顔出ししない、声の仕事を中心とした方が主だった気がします。
顔が浮かばない分、作品に集中できた感じ。独特の節回しが強烈に印象に残り、そして番組も記憶に残った。
最近は、映像・舞台で活躍する、いわゆる著名な役者さんたちが、本業?で見せる顔とは違う独特な雰囲気で語り掛ける。
一番驚いたのは、やっぱり中井貴一さんかな。あんな弾けたナレーション、最初誰だか分らなかったです。
BSの「英雄たちの選択」での松重豊さんも、映像とは全く違う発声で、驚きました。
狭いブースに入ると、独特なスイッチが入るのかな?
本来のイメージとは違う、ハイテンションだったり、迫力が違ったり。面白いものです。
しみじみ系、といいますか、心が落ち着く語りで、近年一番好きなのは、橋爪功さんですねぇ。
特に「剣客商売」をはじめとする時代劇では、タイプは違えど、かつての芥川さんのような独特なテンポの節回しと、説得力のある声が良かったなぁ。
橋爪さんの声に合う時代劇、また誰か作ってくれませんかね。
声専門の職人のような語り、役者さんの演じるような語り。
どちらも甲乙つけがたいし、制作側の演出もあると思う。
もちろん、語りのない作品でも素晴らしいものもあるけれど、音楽と同じくらい、裏方のようで実は「番組の顔」な存在だな、と思います。
今、誰でも簡単に映像・動画が作られる世の中。しかもAIがニュースを読む時代😱声優さん、アナウンサーさん達は危機感を募らせてます。でもね、情、温かみはないんです。
(AIに情が入るようになったら、むしろ人間そのものが不必要になりますね)
映像・音楽・ナレーション、プロの力が集結したものが、全て自分のツボに刺さった時、心・記憶に残る作品になるのかな、そんな気がしてます。