ときおり、「君、コレ絶対好きだから!」というお言葉とともに、
文化的創造物を貸してもらうことがある。
ある時は、東京裁判のDVD。またある時は、ウィリアム・バロウズの裸のランチ。
そのまたある時は、戸川純ベスト。
中にはハマったものもあるが、幾つかは読んだり聴いたりすることなく持ち主の元へ
帰っていったものもある。キャッチだけしてリリース!
ワタシはそんなに誰から見てもサブカルGirlなのであろうか・・
そして、この漫画もそういう経緯でやってきた。
泉昌之/かっこいいスキヤキ
泉晴紀(作画)と久住昌之(原作)の合作漫画である。久住さんのほうは最近
ドラマ化された、孤独のグルメの原作者でもあらせられます。
短編集ですが、ワタシのオススメは“夜行”というお話。
夜行列車にて、おかずを食べる順番をひたすら熟考しながら駅弁を喰らう男の
物語である。はっきり言ってくだらない漫画である。
ドラマはない、汗もない、恋もない、よって感動はない。
あるのは目の前の幕の内弁当と、無駄に劇画タッチな俺、それだけ。
しかし、しかしである。
人生確かに大きな悩みにぶつかる時もある。
就職、結婚、やっと落着いたかと思えば親の介護、等々。
そんな大きな問題を抱えつつも我々は瞬間瞬間、足の裏が痒いとか
歯に挟まったすじ肉だとか、隣の人のハンバーグのほうが大きいとか
しょうもないことに心を奪われながら日々暮らしているのである。
世間は5月、ワタシも5月。
小さな問題を大きくする必要はどこにもないが、大きい問題を圧縮できたら
あら、ステキ☆
そういうポジティブというかユーモアシンキングを身につけるのに、
一役買ってくれる一冊かと思います。
おハナでした。
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