枇杷葉子

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空城計

2012-09-01 23:53:04 | 字幕入り動画
時事小品:空城計

中文字幕版 オリジナルは 2012-08-12 にアップされている。


諸葛亮:
#我乃三國諸葛亮,時空穿越到瀋陽,長途跋涉飢又渴,卻見家家已打烊。噢呀,也不知我穿越到了甚麼世道? 怎麼大白天的大街之上空無一人,所有商家也是店門緊閉,莫非我穿越不慎來到了一座鬼城麼?
われこそは三国時代の諸葛亮、時空を超えて瀋陽にやってきた、長旅ゆえに腹も減り、のども渇いたんだが、店は閉まっている。ああ、いったいどの世にきてしまったのか。昼の日中にどうして街に人っ子一人いないんだろう。商店という商店はみな店を閉めているし、ゴーストタウンにきてしまったのか。

鞋匠:
#哎,怎麼說話呢? 這兒不有活的嗎?
おい、なにを言っているんだい。ここに生きているのがいるじゃないか。

諸葛亮:
#嗚呼呀,對不起,都怪孔明出言不慎,還望老鄉海涵。
おお、失礼、わたくしが不注意でした。同郷のお人、お許しください。

鞋匠:
#老鄉,你誰呀?
同郷のお人って、あんた誰。

諸葛亮:
#在下,複姓諸葛,名亮,字孔明。我本是臥龍崗散淡的人。
それがし、復姓諸葛、名は亮、字は孔明ともうす。もともと臥龍崗、散淡の者でござる。

鞋匠:
#得,這一票友哈,看今兒街上沒人,穿著戲服出來過過癮,是嗎?
あっ、素人役者だな。今日は街に人がいないと見て芝居衣装を着込んで楽しもうってわけだな。

諸葛亮:
#戲服? 票友? 過癮?
芝居衣装、素人役者、楽しむとは、はて。

鞋匠:
#嘿,這做派還真像啊。哎,我說,正好我也沒事兒,今天就免費給你當一把觀眾。來一段《空城計》怎麼樣?
まあなんと、おまえさんの格好は堂に入ったもんだぜ。どうだい、おれもひまだから、今日はただであんたの芝居をみてやるよ。どうだい『空城計』をやってみないかい。

諸葛亮:
#你也知道鄙人的《空城計》麼?
それがしの『空城計』をごぞんじか。

鞋匠:
#鄙人,哥兒們你夠入戲的呀,空城計誰不知道啊? 當年諸葛亮錯用馬謖,失了軍事重地街亭,結果他独守空城,用計謀嚇走了司馬懿的十五萬大軍。經典啊。
それがしときたか、兄弟、役になりきってるな。空城計は知らないものはいないよぜ。諸葛亮が馬謖を起用して結局軍事の拠点街亭を失ったとき、ひとりで空城を守り、司馬懿の 15 万の大軍を追い払ったんだよ。だれでも知ってるさ。

諸葛亮:
#哪裡哪裡? 其實啊,當時也真是嚇得我一身冷汗。咳, 唉呀。
そうでもないんだが。実のところ、あの時はまさに冷や汗ものだったんです。

鞋匠:
#你就別謙虛了。嗨,這哪兒跟哪兒呀? 哎,但是不管怎麼說,這諸葛亮啊,也是足智多謀。
まあそう謙遜しなさんな。あっ、なにをいっているんだったか。まあ、とにかくなんにしても諸葛亮は知謀にとんだ人物だよ。

諸葛亮:
#哦,後人真是這麼評價老夫的嗎?
後の人は本当にそんなにそれがしのことを評価してくれているんでしょうか。

鞋匠:
#那是。不過,誇你是次要的,主要是誇我們這一行。
そうとも、だけどあんたをほめるのは二の次で、大事なのはおれたちの商売のことよ。

諸葛亮:
#你,你們修鞋這一行?
靴修理のお商売といいますと。

鞋匠:
#你沒聽說過那句諺語嗎? 三個臭皮匠,頂你一個諸葛亮啊。
こんなことわざを聞いたことはないかい。靴屋も三人寄れば、一人の諸葛亮に匹敵するって(三人寄れば文殊の知恵)。

諸葛亮:
#嗚呀,可惜了老夫的一世英名啊。嗯,臭皮匠師傅,哦不,修鞋師傅,老夫又飢又渴,要尋覓一處酒家充飢,為何家家都關門歇業呢?
ああ、拙者の一世一代の名声がこんなことに。ところで師匠、拙者腹も減りのども渇いて店を探しているのだが、なぜどの店も閉まっているのかね。

鞋匠:
#看你就是一外地票友。不知道吧。家家都在關門躲搶匪哪。
やっぱりよそから来たお人だね。わからないだろう。どの店も強盗を恐れて閉めているんだ。

諸葛亮:
#搶匪? 光天化日,朗朗乾坤,怎麼會有搶匪呢? 難道官府如此的無能,竟然容忍搶匪殘害百姓不成?
強盗だと。昼日中、お天道様はこんなに高いのに、どうして強盗がでるんです。まさかお上が力がなくて、庶民が強盗に襲われるのを見てみぬふりをするわけではあるまいに。

鞋匠:
#官府。躲的就是官府, 我們紅朝官就是匪,匪就是官,無官不匪,官匪一家,官府就是官匪。最禍害百姓的就是這幫官匪。
お上ですよ。お上を恐れているんです。今の世はお上が盗人なんです。盗人は役人、役人でない盗人はいないし、役人と盗人はぐるなんです。ほんとにお上が強盗するんです。いちばん庶民をいじめているのはお上なんですよ。

諸葛亮:
#官匪? 難道一千八百年之後的中原竟是豺狼行的邪虐之國? 你快講,官匪是如何欺負百姓的。
お上が強盗するとは。まさか 1800 年後のこの国に極悪非道が横行しているなんて。いったい、お上はどんなふうに庶民をいじめているんです。

鞋匠:
#搶錢唄。哎,跟你說了也沒用。你要真是諸葛亮就好了。可以把關羽、張飛調來攻打紅朝。我們也就順勢揭竿而起。可你,剛才說甚麼? 餓了吧。我這正好留了兩包子。吃完包子,咱們再唱《空城計》吧。
金を取っていくのよ。ああ、あんたにいっても役に立たないな。あんたが本物の諸葛亮ならなあ、そしたら、關羽、張飛を連れてきてお上をやっつけることができるんだが。おれたちも加勢するんだが。だけどあんた、今なんていった。腹が減ったって。ここにちょうどパオズが二つあるよ。食べたら、また『空城計』をやってくれよ。

諸葛亮:
#也罷。
いたしかたあるまい。


警察:
#嘿,今兒運氣不錯哈,一抓就倆。你,幹甚麼的?
おっ、今日はついてるな、一度に二人捕まえられる。おい、何やってる。

鞋匠:
#我修鞋的。可你看,今天街上沒人,還沒開張呢。
靴修理です。ご覧のとおり、今日は街にだれもいませんので、まだ商売はやってません。

警察:
#開沒開張我不管。來,出示八證。
商売を始めてるか始めてないかは関係ない。さあ、八証をだせ。

鞋匠:
#八證? 哪八證呀?
八証って、どの八証ですか。

警察:
#健康證、完稅證、出廠證、合格證、代理證、國稅、地稅、值稅。
健康証、完税証、出荷証、合格証、代理証、国税、地税、増加税だ。

鞋匠:
#啊,這健康證、完稅證、國稅、地稅、值稅證明我都有,可那幾個我沒有。
健康証、完税証、国税、地税、増加税は持っています。だけど、あとのはありません。

警察:
#沒有是吧。罰款。
持ってないんだな。罰金だ。

鞋匠:
#等等,警察同志,您看我就一修鞋的,就這點釘子、皮子,還要甚麼出廠證、合格證和代理證啊。
待ってください、警察のだんな。ご覧のとおりわたしは一介の靴修理屋にすぎません。持っているのはわずかばかりの釘と皮です。それなのに、出荷証やら合格証やら、代理証やらがいるんですか。

警察:
#皮子? 甚麼皮子?
皮だって。何の皮だ。

鞋匠:
#牛皮。
牛の皮です。

警察:
#牛皮,再加一屠宰證。
牛の皮には、証がいるな。

鞋匠:
#你!
そんな。

警察:
#沒有是吧。罰款。一個證兩萬,你欠四個,一共八萬。
持ってないんだろう。証明書一種類につき 2 万元の罰金だ、おまえは 4 種類だからあわせて 8 万元だ。

鞋匠:
#啊,我幾年也掙不了八萬哪。你們這簡直就是強盜,還讓不讓人活了。
えっ、 8 万元なんて大金は何年かかっても稼げません。こんなやりかたはまるで強盗じゃないか。おれたちに死ねというのか。

警察:
#少廢話。沒錢就抓人。來人,把他帶走。
(跟諸葛亮說)哎,你是誰啊?
だまれ、罰金が払えなければ引っ立てるまでだ。おい、こいつを連れていけ。
(諸葛亮に)ところでお前は誰だ。


諸葛亮:
#在下複姓諸葛,名亮,字孔明。
それがし、復姓諸葛、名は亮、字は孔明ともうす。

警察:
#諸葛亮,哼,我還曹操呢。神經病啊。精神病院現在都住滿了。今就不抓你了。算你小子走運。快滾吧!
(跟鞋匠說)走!
諸葛亮だって、おまえが諸葛亮ならおれは曹操さまだ。頭がおかしいのか。病院はどこもいっぱいだから、今日のところは見逃してやる。とっとと失せろ。
(靴修理に)さあ行くぞ。


諸葛亮:
#唉,我正在瀋陽看親戚,只見得 家家關店門,空無一人如鬼城,卻原來是官匪發來了兵,我小心翼翼去打聽,打聽得官府缺錢搶百姓,全運會上馬要搞大工程,十三億缺口要靠罰款來補充。你八照齊全也沒用,要想罰你總找出小毛病,賣手紙要付排污費用,賣牙簽要有森林砍呢,砍,砍伐證,賣豆腐大爺嘴漏風,罰了一萬還算輕,商店裡如少個滅火瓶,半年營業額全交還不夠罰的零頭。當年鬼子把城進也沒有如這般心手重,明火執仗欺,欺負百姓。救助紅朝百姓出水火,我是又無有糧草又無有兵。天不容中共作亂要威風,你就壞壞壞。大廈將傾,氣數已盡。

ああ、瀋陽に親戚を尋ねてきてみれば、どの店も扉を閉ざして街は人っ子一人いないゴーストダウン。わたしがやっと聞き出したところでは、お役所は足りない金を庶民から盗ろうとしているらしい。全運会の大型プロジェクトがもうすぐ始まる。13 億元もの不足を罰金で補おうとしている。

八つの許可証がそろっていてもだめた、罰金をとろうと目をつけられたら、とことん難癖をつけられる。トイレットペーパーを売るには汚物処理費を収めなきゃならん。つまようじを売るには伐採許可証を手に入れなきゃならん。豆腐売りのじいさんは口から息が漏れるといっては罰金 1 万元をとられる。これでもまだましなほうだ。店に消火器がなかったら、半年の売り上げを差し出しても罰金の端数にもたりない。

当時、鬼子が街にやってきたときもこんなにひどくはなかった。堂々と悪事をはたらいて庶民をいじめる。この庶民を塗炭の苦しみから救いたくてもそれがしには糧秣もなければ兵もない。だが天はこのような非道をお許しならない。もうおしまいだ、屋台骨は傾いているぞ、命運はもう尽きている。

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