お山の温泉から本白根山(2,160m)を目指してテクテク登っていく。同行のぴら奥さんは、山よりダンゴでお菓子をポリポリ・・・。山頂近くで出会った珍しいお客さんの写真です!
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昨日とあるブログで、ぴら家の近くの自動車教習所へ合宿免許に来た人の体験記を読んだ。その人は「正直言って、大島には二度と行きたくない」と書いていた。大好きなコンビニやハンバーガー屋が皆無なのも辛かったらしいけど、一番嫌だったのは、島の人(特にお店の人)がとにかく不親切で意地悪に感じたからだという。う~ん、やっぱり御主もそう思うか・・・
ぴらにあも島に来た当初、同じく辛い思いを何度もした。お店で質問をしてもちゃんと答えてくれないし、無視さえすることもある店員さん。ずいぶん前だけどあるスーパーでの話、「チリソースって無いですか?」とお客さん(明らかに島民で無い人)が聞いたところ、「知らんよ、そんなの・・・」という感じの店員さん。「どこかで売ってないですかね?」とさらに聞いても、「売ってないでしょ・・・」とつれないお返事だ。その会話を聞きながらぴらにあがふと棚を見ると、ちゃんと並んでいるチリソース・・・。もし、島の人(店員さんの知り合い)がチリソースを捜索にやって来たら、倉庫まで行って確認するとか、別の店に問い合わせてくれるとか、必ず親身になって対応してくれる。伊豆大島移住から3~4ヶ月もたって、ぴらにあもやっとそんな風に接してもらえるようになったっけ・・・
じゃぁ、なんで一見さんにそこまで不親切なのか考えてみた。簡単に言えば島の人は『超人見知り』、他人様とのコミュニケーションにあまり慣れていない。一部の社交的な人を除いて、お店や食堂、あるいは旅館の人であっても、初対面の人と気軽に会話するのを嫌う。店員さんがお客さんに対して、「あんた、どこの誰よ?」って当たり前のように聞くきくこともしばしば・・・。これは隣近所、あるいは町内、もっと広げて島内に自分と無関係の人はほとんどいないから、『知らない人に会った』というだけで不安になるかららしい。島民9,000人がみんな知り合いどころか、姻族まで含めたらほとんど法的には親族なんじゃないかと思う。話をしていても、自分が相手の事をどこの誰だか必ず知っているし、相手も自分を知っている。そういう環境の中で生活している人が、全く知らない人(観光客や合宿免許の生徒)に話しかけられると、緊張してうまく話せないという事。決して悪気がある訳じゃないんです。
「同じ日本人なのになんで?」と思うかも知れないけれど、街角でいきなり外国人に「シンジュクエキワ、ドッチデスカ?」と日本語で訪ねられた人が、「アイ、キャント、スピーク、イングリッシュ・・・」としどろもどろになるのと、ほとんど同じ状況だと思う。新宿駅がどっちにあるのか知らない訳じゃないのに、訪ねた人に教えたくないんじゃないのに、なぜか答えられない不思議なジャパニーズと同じ・・・
もう一つ、何かを訪ねた時に不親切と思われがちな理由がある。それは、島民の皆さんが共有している情報が、質的にも量的にもほとんど同じと言うこと。何についても自分が知っていることは、だいたい他の人も知っているというのが島の常識だ。出帆港が突然変わろうが、船が欠航になりそうだろうが、まず親切に教えてくれるなんてありえない。だって、そんな事みんな知っていると思っているから・・・
そんな島の人の対応を『不親切』と言ってしまえばそれまでだけど、それも含めて島の文化だと思う。考えてもみれば、今から数十年前までは日本中どこでも同じような環境だったはず。他地域からの交流なんてほとんどなく、地域限定ルールで生活していた人々。それが『常識』という言葉で通用していたけれど、異文化交流に対しては常識が通用しなくなるという事だ。コンビニもファミレスもハンバーガー屋もないけれど、そんな伝統と文化が今でも強く残っている伊豆大島。「隣は何をする人ぞ・・・」に慣れてしまった都会の人にとって、それが『不親切』と感じるのは間違いないけれど、それもまた貴重な体験なんじゃないかと思う今日この頃です。