RFC1遺伝子関連スペクトラム障害は,RFC1遺伝子のAAGGG反復配列の伸長に伴う疾患です.代表的な表現型は小脳性運動失調,感覚性ニューロパチー,両側前庭障害を3徴とする多系統障害型の運動失調症候群であるCANVAS(cerebellar ataxia with neuropathy and vestibular areflexia syndrome)です.症候は運動緩慢や自律神経不全など多様性に富むため,多系統萎縮症(MSA-C)や脊髄小脳失調症3型(SCA3)などが主な鑑別診断となります.Mov Disord Clin Pract誌に,フランスから画像から鑑別できるか検討した報告が掲載されています.自験例6例と既報例13例で,FDG-PET,DaTスキャン,MIBG心筋シンチを行なっています.結論は以下です.
◆FDG-PET:CANVASでは主に小脳の代謝低下を示すが,脳幹と線条体の代謝は保たれており,MSA-CやSCA3と鑑別できる.
◆DaTスキャンにおける取り込み低下は,臨床的パーキンソニズムと関連しているようで,正常から重度の障害までさまざま.
◆MIBG心筋シンチはCANVASではSCA3と同様に取り込み低下を示しうるが,ほとんどのMSA-Cでは正常である.
図のFDG-PETは,Case 1,4,5では前側・頭頂葉の代謝低下が認められます.Case 1,3,4では小脳の代謝低下も認めます.しかし線条体と脳幹の代謝は保たれています.DaTスキャンはCase 1,4は正常,Case 3は高度低下,Case2は非対称性中等度低下を示し,さまざまです.
Horowitz T, et al. Molecular Imaging in CANVAS: A Contribution for Differential Diagnosis? Mov Disord Clin Pract. 2024 Apr 4.(doi.org/10.1002/mdc3.14041)
◆FDG-PET:CANVASでは主に小脳の代謝低下を示すが,脳幹と線条体の代謝は保たれており,MSA-CやSCA3と鑑別できる.
◆DaTスキャンにおける取り込み低下は,臨床的パーキンソニズムと関連しているようで,正常から重度の障害までさまざま.
◆MIBG心筋シンチはCANVASではSCA3と同様に取り込み低下を示しうるが,ほとんどのMSA-Cでは正常である.
図のFDG-PETは,Case 1,4,5では前側・頭頂葉の代謝低下が認められます.Case 1,3,4では小脳の代謝低下も認めます.しかし線条体と脳幹の代謝は保たれています.DaTスキャンはCase 1,4は正常,Case 3は高度低下,Case2は非対称性中等度低下を示し,さまざまです.
Horowitz T, et al. Molecular Imaging in CANVAS: A Contribution for Differential Diagnosis? Mov Disord Clin Pract. 2024 Apr 4.(doi.org/10.1002/mdc3.14041)