もはや follow up しきれなくなったレアな遺伝性脊髄小脳変性症の報告.今回,ノルウェー人に祖先を持ち6世代にわたり緩徐進行性の純粋小脳失調を呈した1家系に関する連鎖解析の報告.発症年齢は26~60歳.MRIは小脳の萎縮のみで脳幹は保たれる.全ゲノムスキャンによる連鎖解析が行われ,染色体19p13.3における15.55cMの領域(D19S886とD19S894の間)をSCA26 locusと命名した.この遺伝子座はCayman ataxia(MIM601238. Cayman Islandで認められた常染色体劣性のSCD.精神運動発達遅延と小脳失調を呈する.原因遺伝子産物Caytaxin)とSCA6の遺伝子座位の近傍である.この領域には3.3 MbのDNAとおよそ100の遺伝子が存在している.候補遺伝子アプローチを4つの遺伝子に対して行ったが,coding領域に変異なし.
最近のレアな遺伝性脊髄小脳変性症に関しては2004年11月25日にSCA23について記載したが,そのほかSCA24は常染色体劣性(!)で,小脳失調,錐体路症状,ミオクローヌス,眼球運動障害,pes cavusを呈する家系(Ann. N.Y. Acad. Sci. 956: 441-444, 2002.).SCA25は常染色体優性のフランス人1家系で,小脳失調をほとんど呈さない感覚性ニューロパチータイプから,小脳失調も合併するフリードライヒ型まで家族内の症状は様々.染色体2番短腕に連鎖し,剖検組織の1C2抗体(抗ポリグルタミン抗体)ではよくに陽性に染色される構造物は認めていない(Ann Neurol 55: 97-104, 2004).いずれにしても1家系のみの報告なので,今後の候補領域の絞込みは大変そうである.
Ann Neurol 57: 349-354, 2005
最近のレアな遺伝性脊髄小脳変性症に関しては2004年11月25日にSCA23について記載したが,そのほかSCA24は常染色体劣性(!)で,小脳失調,錐体路症状,ミオクローヌス,眼球運動障害,pes cavusを呈する家系(Ann. N.Y. Acad. Sci. 956: 441-444, 2002.).SCA25は常染色体優性のフランス人1家系で,小脳失調をほとんど呈さない感覚性ニューロパチータイプから,小脳失調も合併するフリードライヒ型まで家族内の症状は様々.染色体2番短腕に連鎖し,剖検組織の1C2抗体(抗ポリグルタミン抗体)ではよくに陽性に染色される構造物は認めていない(Ann Neurol 55: 97-104, 2004).いずれにしても1家系のみの報告なので,今後の候補領域の絞込みは大変そうである.
Ann Neurol 57: 349-354, 2005