Neurology誌を開いても読む気が起きず,ぼうっと宣伝を眺めていた.結構,薬の宣伝は多いのだが,改めて読んでみると知らない薬ばかり.試しにどんな薬が宣伝されているのかチェックしてみる.
A. 抗てんかん薬
Lamictal(lamotrigine);部分発作に使用される.効果はカルバマゼピンと同等であり,副作用が少なく,薬物途中中止例も少ないが,その薬価は約10倍高い.
Keppra (levetiracetam);成人部分発作の補助療法に使われる薬で,MSの有痛性痙攣にも聞くという報告があるが,今回,4歳以上の小児の部分発作に対する補助療法という適応が追加されたことを宣伝している.
Trileptal(oxcarbazepine);部分発作,単剤使用可.
Dilantin(extended phenytoin sodium capsule)
Zonegran(zonisamide cassule)
B. 抗パ剤
Requip(Ropinirol HCl);Dopamine agonist.欧米を中心に使用されている2番目の非麦角アルカロイドD2受容体作動薬(日本では再試験が行われる段階とのこと).しかしここでは,抗パ剤ではなく,最近,FDAに承認されたレッグス症候群(RLS)の治療薬として宣伝されている.
Zelapar(selegiline HCl);抗パ剤selegiline(MAO-B阻害剤)の口腔内崩壊錠.
Mirapex(pramipexole);Dopamine agonist.日本のビ・シフロールと同じ.
C. MS
Copaxone(glatiramaer acetate);Selective MHC class II modulator.
Rebif(IFNb-1a)
AVONEX(IFNb-1a)
D. 痴呆
Namenda(memantine HCl);抗痴呆薬.NMDA-receptor antagonist.
E. トリプタン
Frova(frovatriptan succinate);月経期の片頭痛(menstrual migraine)にも有効性が示されている点が売り(ちなみに宣伝しているのは女子テニスのSerene Williams).
Relpax(eletriptan HBr)
Zomig nasal spray(zolmitriptan)
F. 睡眠
Rozerem(ramelteon);今年7月にFDAに承認された.睡眠薬としては初の非指定薬物であり,投与期間制限なしで使用できる.というのもメラトニン類似物質で,他の薬物とは違って依存を引き起こさないため.
Lunesta(eszopiclone);ベンゾジアゼピン様薬剤.非benzodiazepine系,比較的安全で,耐性,乱用,依存の可能性が低いらしい.
G. その他
Concerta(methylphenidate HCl);リタリンのこと.うつ病や抑うつ神経症,ナルコレプシーで使用されるが, ADHD(注意欠陥多動性障害)に対してもFDAが承認した.
Combunox(Oxycodone HCl and Ibuprofen);鎮痛薬.Oxycodone(オピオイド受容体に作用し,モルヒネと類似の薬理作用を発揮)とイブプロフェンの合剤.中等度~重度の急性の痛みの治療薬として昨年11月FDAに承認された.
Cymbalta(duloxetine HCl);セロトニンとノルエピネフリンの再取り込み阻害剤だが,抗鬱薬としてのみでなく,糖尿病性ニューロパチーの疼痛緩和薬として承認された.
Plavix(clopidogrel bisulfate);抗血小板薬.アスピリンに比べ,心筋梗塞や虚血性脳卒中を最近発症した人や,末梢性動脈疾患のある人に対し,主なアテローム性血栓イベントの予防効果が高いことが分かっている.
Zavesca(miglustat);ゴーシェ病(glucocerebrosidase欠損症→glycosphingolipid蓄積→脾・肝・骨・神経障害など)治療薬.glycosphingolipidの合成に関わるglucosylceramide synthaseの阻害剤.glycosphingolipidの合成を抑制する.
いつもの通り,日本の薬剤承認制度の文句になってしまうが,あまりに日本で使えない薬が多い(それにしてもゴーシェ病の薬には驚いた).あと広告を見て思ったのは,効能より副作用の記載が目だつ宣伝が多くて驚いた.でもこの辺はむしろ好感を持った.
Neurology 65;September 13, 2005
A. 抗てんかん薬
Lamictal(lamotrigine);部分発作に使用される.効果はカルバマゼピンと同等であり,副作用が少なく,薬物途中中止例も少ないが,その薬価は約10倍高い.
Keppra (levetiracetam);成人部分発作の補助療法に使われる薬で,MSの有痛性痙攣にも聞くという報告があるが,今回,4歳以上の小児の部分発作に対する補助療法という適応が追加されたことを宣伝している.
Trileptal(oxcarbazepine);部分発作,単剤使用可.
Dilantin(extended phenytoin sodium capsule)
Zonegran(zonisamide cassule)
B. 抗パ剤
Requip(Ropinirol HCl);Dopamine agonist.欧米を中心に使用されている2番目の非麦角アルカロイドD2受容体作動薬(日本では再試験が行われる段階とのこと).しかしここでは,抗パ剤ではなく,最近,FDAに承認されたレッグス症候群(RLS)の治療薬として宣伝されている.
Zelapar(selegiline HCl);抗パ剤selegiline(MAO-B阻害剤)の口腔内崩壊錠.
Mirapex(pramipexole);Dopamine agonist.日本のビ・シフロールと同じ.
C. MS
Copaxone(glatiramaer acetate);Selective MHC class II modulator.
Rebif(IFNb-1a)
AVONEX(IFNb-1a)
D. 痴呆
Namenda(memantine HCl);抗痴呆薬.NMDA-receptor antagonist.
E. トリプタン
Frova(frovatriptan succinate);月経期の片頭痛(menstrual migraine)にも有効性が示されている点が売り(ちなみに宣伝しているのは女子テニスのSerene Williams).
Relpax(eletriptan HBr)
Zomig nasal spray(zolmitriptan)
F. 睡眠
Rozerem(ramelteon);今年7月にFDAに承認された.睡眠薬としては初の非指定薬物であり,投与期間制限なしで使用できる.というのもメラトニン類似物質で,他の薬物とは違って依存を引き起こさないため.
Lunesta(eszopiclone);ベンゾジアゼピン様薬剤.非benzodiazepine系,比較的安全で,耐性,乱用,依存の可能性が低いらしい.
G. その他
Concerta(methylphenidate HCl);リタリンのこと.うつ病や抑うつ神経症,ナルコレプシーで使用されるが, ADHD(注意欠陥多動性障害)に対してもFDAが承認した.
Combunox(Oxycodone HCl and Ibuprofen);鎮痛薬.Oxycodone(オピオイド受容体に作用し,モルヒネと類似の薬理作用を発揮)とイブプロフェンの合剤.中等度~重度の急性の痛みの治療薬として昨年11月FDAに承認された.
Cymbalta(duloxetine HCl);セロトニンとノルエピネフリンの再取り込み阻害剤だが,抗鬱薬としてのみでなく,糖尿病性ニューロパチーの疼痛緩和薬として承認された.
Plavix(clopidogrel bisulfate);抗血小板薬.アスピリンに比べ,心筋梗塞や虚血性脳卒中を最近発症した人や,末梢性動脈疾患のある人に対し,主なアテローム性血栓イベントの予防効果が高いことが分かっている.
Zavesca(miglustat);ゴーシェ病(glucocerebrosidase欠損症→glycosphingolipid蓄積→脾・肝・骨・神経障害など)治療薬.glycosphingolipidの合成に関わるglucosylceramide synthaseの阻害剤.glycosphingolipidの合成を抑制する.
いつもの通り,日本の薬剤承認制度の文句になってしまうが,あまりに日本で使えない薬が多い(それにしてもゴーシェ病の薬には驚いた).あと広告を見て思ったのは,効能より副作用の記載が目だつ宣伝が多くて驚いた.でもこの辺はむしろ好感を持った.
Neurology 65;September 13, 2005