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赤い大根の「紅くるり」という品種、「稀に着色不良が発生することがあります。」ということで、当方の菜園でも着色不良の大根が採れたことは昨年11月29日に報告しました(赤い大根「紅くるり」と青首大根「源光」の収穫)。着色不良株の輪切りの様子は知らせていませんでした。遅まきながらの報告です・・ゴメン
上の写真の左側、着色不良大根の緑色した部分(胚軸)を輪切りにしてみると・・
外見から、青首大根のように光に当たった胚軸の皮の部分だけが緑色になっているのかと思ったのですがそうではありませんでした。着色良好だった時、赤くなる部分が緑色に置き換わったようにも見えます。日光が当たらない実の奥まで緑色だったのは驚きで、青首大根とは性質の違う「緑」?。果たしてこの緑も葉緑体由来なのでしょうか?
日本植物整理学会のみんなのひろば 植物Q&Aで「大根に光を当てたら葉緑体ができますか?」の回答を勝手に要約すると・・
原色素体と呼ばれる小胞は、細胞ごとの役割によって葉緑体、有色体、アミロプラスト(でん粉を貯蔵)、エチオプラストや白色体などに形を変えて存在している。これらは、条件により相互変換することが確認されているが、白色体はそれ以上変わることはない。大根の胚軸では、表層細胞にエチオプラストが残っており光が当たると葉緑体に変換して緑色になるが、それ以外の部分に光を当てても全部が緑色になることない。
とのこと。そうだとすると、着色不良の紅くるりの緑は青首大根の緑色とは異なる機序で着色しているのでしょうね。
画像検索したところ、他にも芯まで緑色になる大根というのがあって「青芯大根」「ビタミン大根」「うえだみどり大根」というのがみつかりました。全国にはいろいろな大根があるのですね。
参考までに着色良好な紅くるりの輪切りは下の写真の右側です(左側は木曽紫蕪)
【まとめ】
- 芯まで赤い大根の「紅くるり」という品種は、稀に着色不良が発生することがあり、胚軸部分が緑色になることがある
- 緑色になった胚軸では、外皮だけでなく芯まで緑色に変化している
- 青首大根では胚軸外皮に含まれるエチオプラストに光が当たると葉緑体に変化して緑化するが、それと紅くるりの緑化は機序が異なることが推測される
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