映画化もされたアレックス・ライダーシリーズの最終巻。
2011年に最終巻が出るというのは前から情報を仕入れていましたが、
ちょうど震災があったタイミングだったので発売のタイミングをチェックするどころではなく、
年末くらいになってそういえばどうなったんだろう?
と思ってAmazonをチェックしたら、あと数カ月待てばペーパーバックが出る
というタイミングだったので、ペーパーバックが出るまで待って読みました。
和訳も出てたのですが、なぜか「全6巻セット」が販売されているので、
どうもシリーズ第7巻のスネークヘッドと、第8巻のクロコダイル・ティアーズ、
そしてこの最終第9巻のスコルピア・ライジングは和訳が出ないようなので、
前回に引き続き備忘のためにネタバレします。
いっそ老後にでも自分で翻訳してみようかな
~以下ネタバレ~
Part One:スコルピア
1. 過去2度もアレックスに邪魔されて、
すっかり名声が地に落ちてしまった国際犯罪組織スコルピア。
ギリシャ人の富豪から依頼が入り、
国際指名手配中のスコルピアのリーダーであるゼルジャンがイギリスに出現。
当然MI6も出動してゼルジャンを尾行し、大英博物館へ。
ゼルジャンは富豪から「大昔にイギリスに盗まれたギリシャ彫刻をギリシャに取り戻す」
という依頼を受けて博物館を出ようとしたけどMI6の尾行がばれて銃撃戦に。
潜伏していたスコルピアのメンバーの助けがあってゼルジャンは無事脱出。
今回のミッションの担当にうってつけの人物に思い当たる。
2. 今回のミッション担当となるイラク出身のマッドサイエンティスト
ラジムの身の上話。フセイン政権やアルカイダで一時は活躍するも、
その後追われる身となってスコルピアに。
痛みの研究をしていて、痛みの単位として自分の名前(ラジム)を
歴史に残すことを夢見るマッド・サイエンティストで、
この日はフランス人のスパイを捕まえて拷問にかけ、
痛みの研究に余念がなかった。
3. セーヌ川のクルーズ船バトー・ムーシュ。
実はその中がスコルピアのアジトになっていて、
この日はギリシャ人富豪の依頼について、スコルピアの幹部が集まって会議中。
白羽の矢が立ったラジムが今回のプロジェクトについて説明。
強盗ではなく、正式にイギリスに彫刻を返却するよう仕向けるという流れで、
そこにこれまでさんざん苦汁をなめさせられたアレックス・ライダーを使うことに。
古株の幹部がアレックスを侮るとロクなことがないといって大反対。
スコルピアを脱退しようとするも、その場でスナイパーにより射殺。
スコルピアの幹部の死体を発見させて罠でおびき寄せる、
という作戦の材料になってしまう。
4. アレックスを利用するために、もう1人必要な役者として選ばれたのが、
2巻のポイント・ブランクで自分のクローン人間に、
世界中の富豪の子供と同じ顔に成形させて子供と入れ替わり、
その巨万の富全てを我が物にしようとたくらんでいたドクター・グリーフの息子(クローン)で、
富豪の息子になりすましていたスパイだと知らずに
アレックスの顔に成形してしまったジュリアス・グリーフだった。
2巻の最後でアレックスを殺そうとして失敗し、
秘密の孤島刑務所に収監されていたジュリアスにスコルピアが接触する。
5. スコルピアの助けにより、
アレックスを殺すことだけを生きがいにしているジュリアスが、
崖から転落して死んだように見せかけて脱獄に成功。
6. テムズ川からスコルピアの幹部の死体が発見され、
MI6のブラントの元に報告が上がる。
所持品から解読した暗号により、
エジプトのカイロにあるインターナショナル・スクールで
スコルピアが何かやらかすらしいという可能性が浮上。
しかし、何が起きるかも本当に起きるかもわからない状態で、
とりあえず誰かエージェントを学校に送って様子を見させようということで、
再びMI6でアレックスの名前が浮上。
Part Two:アレックス
7. すっかり日常の生活を取り戻したアレックス。
友人との付き合いが増える中で、ジャックとは若干疎遠に。
そこへ、ジャックの下にアメリカの両親から帰国を促す手紙が。
ジャックの父親が病気とのこと。
もうアレックスに自分は必要なくなったと感じて帰国を決意。
アレックスが家から帰ったらその話をしようと決める。
一方のアレックスは授業中に本能で危険を察知。
そして向かいのビルの屋上にスナイパーを発見し、その直後に狙撃される。
アレックスは狙撃を回避したものの、友達のトムが撃たれてしまう。
学校が一時騒然となり、アレックスは本能的にスナイパー追跡に走る。
8. スナイパーを追ってテムズ川沿いの雑居ビルにたどりついたアレックス。
スナイパーが待っていた仲間に「ミッション完了」と報告するのを漏れ聞くも、
自分はこうして生きてるから少なくともミッションが完了してないことを
仲間に知らしめ、あわよくば脱出を阻止しようと一計を案じ、
ヘリコプターで脱出しようとした2人組にパチンコ玉の原理で
消火器をくらわせ、首尾よくテムズ川に墜落させることに成功。
9. MI6のアラン・ブラントと部下のミセス・ジョーンズがアレックスの家に向かう。
本当はオフィスに呼びつけようとしたけどジャックが却下したので
例外的にアレックスの家で話し合うことに。
アレックスがスナイパーについての情報提供をし、
MI6側からは川からは犯人の痕跡が発見されなかったことを報告。
まだアレックスの命が狙われていることになり、
保護する代わりに(ついでに?)ミッションを与える、
ということでアレックスのカイロ行きが決定。
しかし今回はジャックも同行することに。
さらに、実はアレックスの家にスコルピアがカメラと盗聴器をしかけていて、
MI6がアレックスをカイロに送り込む一部始終の証拠を手に入れていた。
10. 無事にカイロ入りしたアレックスとジャック。
世界中の金持ちの子供が通う学校に、アレックスはまたしても身分を偽って潜入することに。
折角友達ができたのにちょっと後ろめたいと思うアレックス。
さらに、バックアップ要因として、MI6がカイロに送り込んだのが、
いつもスパイ道具を用意してくれる巨体のスミザーズ。
今回もいくつかスパイ道具を手に入れて、学校に潜入するアレックス。
11. 学校でのターゲットは、スコルピアが前任者を事故に見せかけて殺し、
その手先を送り込んだらしい、新しいセキュリティチーフのギュンター。
潜入捜査の結果、ついに指紋&生体反応システムを使ったギュンターのオフィスを発見。
早速スミザーズに報告し、潜入の手はずを整えるアレックス。
12. ギュンターの指紋を手に入れ、無事にオフィスに潜入成功。
二重底になった引き出しからサハラ砂漠にあるオアシスのシワ(Siwa)の地図、
ワシントンポストの記事の切り抜き、そして写真の束を発見。
どこかの建物の中にある部屋のフックをアップで撮影した意味不明な写真や、
なぜかどこかに違和感を感じる、遠目に自分を撮影した写真など、
一応全て自分のiPhoneで撮影してスミザーズに送信。
無事に見つからずに部屋から出て家に帰ろうとしたところに
都合よくギュンターを発見。しかも人目を避けて電話をしている様子。
スミザーズのスパイ道具で盗聴すると、
「黄金の館で明日の5時」に誰かと会う約束をしていたところで、
思わぬ収穫に気を良くして帰ろうとしたところで、
さっきの自分の写真の違和感の原因に思い当たる。
いつも友達と一緒に帰っているのに、あの写真は1人で校門を通るところだった。
なぜなのか釈然としないまま、でも色々収穫があったから
深く考えずに帰路に着いたアレックスの姿を、物陰からそっと見つめるギュンター。
そして電話が鳴って、アレックスを黄金の館におびき出すことに成功したと報告していた。
13. ネットで調べて黄金の館が宝石専門のショッピングセンターだと判明。
ギュンターが宝石を買うために行くのではないことは明白で、
アレックスはジャックの反対を押し切って尾行することに。
でもジャックは絶対アレックスに一人で危険なことをさせないために付いてきたので、
結局2人で黄金の館に行って、ジャックが入口を見張る間に
アレックスがギュンターの後を追って店に潜入する。
ギュンターが「閉店」と書かれた店のドアに入る。
そこは武器屋になっていて、ギュンターがハビブという商人から
特注のライフルを受け取り、その場でハビブを射殺して店を出る。
ゴルフバッグのようなものを新たに抱えて出てきたギュンターを目にし、
アレックスは店に入る。すると目の前にはハビブの死体が。
その直後に爆発が起きる。
黄金の館はナイル川に浮かべた船を係留して店に仕立ててあったので、
爆発により船が転覆。間一髪で脱出し、
岸に上がったところでアレックスは謎の二人組に拉致される。
14. 車に乗せられ、どこかの建物にたどりついたアレックス。
なんとか「Cairo Islamic Authority」という看板を目にする。
建物では別の男が待ち構えていた。
1人アレックスがMI6のスパイだったことを知る人物がいて、
アレックスが黄金の館で何をしていたのか訪ねる。
本当のことを話しても信じてもらえず、水責めの拷問にかけられるアレックス。
万事休す、と思いきや、間一髪で新たな人物が登場。
3人の男の上司らしく、すぐに拷問をやめさせる。
男性の顔を見て、すぐに自分がどこにいるのか理解したアレックス。
マイアミでは「Centurion International Advertising」、
ニューヨークでは「Creative Ideas Animation」、
そしてここカイロでは「Cairo Islamic Authority」と名乗るこの組織はCIAだった。
アレックスを助けてくれたのは、今まで何度か会ったことのあるCIA長官のジョー・バーン。
なぜCIAがカイロにいるのか、
その理由は近々行われる国務長官の演説。
そこでイギリスとの同盟見直しに言及する予定の国務長官を
黄金の館でギュンターが殺したハビブが狙撃するという情報を入手し、
CIAエージェントが張り込んでいたところへイギリスのスパイのアレックスを発見し、
イギリスの仕業だと思って、若いエージェントに拷問されたというわけだった。
これでカイロで何が起きるのかが判明し、役目が終わったアレックスは
すぐイギリスに帰ろうと決意して帰宅する。
15. 無事ジャックと合流し、何が起きたかを報告するアレックス。
イギリスに帰ろうとするも、アレックス襲撃事件はまだ解決していないので安全ではない。
だから一緒にアメリカに行かないかと持ちかけるジャック。
でも急な話で気乗りせず、とりあえずロンドンで様子を見てから、ということになり、
翌日スミザーズに帰国の報告をしてから帰ることに決定。
一方その頃、サハラ砂漠でラジムとジュリアスが、
明日スミザーズを殺すという計画を企てていた。
16. 帰国前に挨拶のためにスミザーズの家に向かったアレックス。
別れを告げた途端にスミザーズの家に宅配業者が来訪。
これが敵の襲撃と分かり、家に仕掛けたガジェットの数々で撃退を図るも、
次から次へと押し寄せる襲撃者たちに、なんとか脱出。
マーケットでドンパチやって大騒ぎになったところで、
スミザーズの驚愕の事実が判明。
なんと、スミザーズの肥満体は実は偽物で、
中からスリムな30代後半の好青年が出現(笑)
これで連中もスミザーズを見失うだろうということで、
安心してアレックスを送り出し、街中へと消えたスミザーズ。
パッキングを終えて彼の帰りを待っているはずのジャックに電話をするもつながらず、
アレックスは嫌な予感がする。
17. 家にジャックの姿はなく、ベッドルームのドアに張り紙が。
ジャックがスコルピアにさらわれ、一人で指示された場所に向かうアレックス。
そこに現れたのは自分と同じ顔をした少年、ジュリアス・グリーフだった。
その後、ギュンターも合流し、黄金の館で入手したライフルをアレックスに握らせ、
その様子を写真に収めたら一端ギュンターとは別行動になり、
アレックスとジュリアスがヘリコプターで次の目的地に向かう。
18. サハラ砂漠の要塞に連れて来られ、そこで初めてラジムと対峙するアレックス。
一晩牢屋に閉じ込められ、翌朝ようやくジャックと再会し、
そのままラジムと朝食を取ることに。
ラジムが痛みの研究にアレックスを使うことを説明。
事前に分かっていた方が恐怖が増して痛みも増すから予め説明したとのこと。
実験に備えて体力を温存させるため、16時に牢屋に戻るまでは
2人で自由にしていていいと言われ、
2人きりになったところで脱出計画を企てるアレックスとジャック。
そして時間になって、アレックスだけが実験室に連行される。
19. スコルピアの計画のため、アレックスを物理的に傷つけることができないラジム。
そこで今回は心理的な痛みを与えて実験をすることに。
アレックスに見せたスクリーンに映し出されたのは、
仕組まれているとは知らずに脱出を試みるジャックの姿。
朝食で運よくかすめ取ったナイフを使い、
たまたまもろくなっていた鉄格子の支えのレンガを崩して
食事に立っていなくなった見張りにみられることなく脱出に成功するジャック。
外の車の前には見張りがたった一人。
小さい頃にアレックスが失敗した実験を思い出してそれを再現し、
見張りの注意をそらせたところで一撃をくらわして見張りをノックダウンさせたジャック。
助けを呼ぶために車に乗り込んだジャック。
しかし、それは全てラジムが仕組んだことだった。
そして、スクリーン上で、ジャックの乗った車が爆発し、炎上するのを目にしたアレックス。
そして悲しみのあまり気を失ってしまう。
20. カイロでの米国国務長官のスピーチの日。
国務長官が予定通り会場に入る。
取材のために集まった報道陣の中に、スコルピアが紛れ込んでいた。
中にはジャックを失った悲しみのあまり無気力状態になったアレックスとギュンター。
そしてギュンターが今回のスコルピアの企みを全て暴露する。
アレックスに長官を狙撃させ、そのあとアレックスもどさくさにまぎれて射殺。
そこへ、MI6がアレックスをスパイとして使っていた証拠を握るスコルピアが接触。
彫刻をギリシャに返さなければ、アレックスのことを暴露すると脅迫する。
14歳の少年をスパイとして使い、さらには国務長官まで殺させたとなると
国際社会から非難を浴びるのは火を見るより明らか。
したがって、望み通り正式な手続きを経て彫刻がギリシャに返却され、
スコルピアが莫大な報酬を得て裏社会に返り咲く、という筋書きだった。
依然無気力を装うアレックスが「死ぬ前に煙草を吸いたい」とギュンターに頼む。
ギュンターが手を伸ばしたその煙草は、実はアレックスがひそかに用意していたもので、
ラジムとの朝食の間に盗んでおいて、痛みの実験の後に独房に放置し、
そこらじゅうにうろついていたサソリが運良く入ったところを密閉して隠し持っていた。
ギュンターはサソリに刺されてそのまま即死。
ギュンターの銃を奪って外に出ると、
アレックスになり済ましてインターナショナルスクールの子供と一緒に
スピーチの見学に来ていたジュリアスが会場を抜け出して
国務長官の狙撃ポイントに向かうところだった。
21. ジュリアスが隠し部屋に入り、アレックスは行き止まりに直面。
しかしそこで、ギュンターのオフィスで見た写真と同じフックを発見し、
仕掛けが作動してジュリアスが潜む隠し部屋にたどりつく。
長官のスピーチでイギリスが言及される瞬間を狙って狙撃する手はずになっていて、
その時を待ち構えるジュリアス。
そしてその瞬間が訪れ、ジュリアスが引き金を引こうとしたその時に
間一髪でアレックスが到着し「ジュリアス!」と叫ぶ。
すぐさまジュリアスがターゲットをアレックスに変えて発砲し、会場は混乱の渦に。
打ち合いながらの追跡劇の末、ついにジュリアスは途中で車に轢かれてしまう。
息も絶え絶えのジュリアスにとどめをささずにその場を立ち去ろうとしたところで
ジュリアスが銃を手にしてアレックスを撃つ。
しかしアレックスはその動きを察知して、ジュリアスより早く銃を撃っていた。
22. CIAのジョー・バーンと再会したアレックス。全てを説明する。
砂漠にあるシワのラジムの要塞を襲撃するためにCIAとエジプトの合流軍が出されるが、
地雷やミサイルなどの防衛システムの話を聞いていたアレックスが
自分がジュリアスになり済まして要塞に侵入し、セキュリティシステムを解くから
連れて行けと説得し、そのとおりとなって合同作戦決行。
23. 狙い通り要塞への侵入に成功するも、コントロールルームにたどりつく前にばれてしまう。
なんとかセキュリティを解いて合同軍がなだれ込み、
アレックスは最後にラジムに追いつめられるが、
水責めで借りをつくっておいたCIAエージェントの助けがあって
(そのエージェントは代わりに死んだが)アレックスは助かり、
ラジムは塩の山に生き埋めになる。
24. アラン・ブラントがMI6長官を退任し、ミセス・ジョーンズが後任に。
アレックスの学校襲撃事件が
実はアレックスをカイロに送り込むために
ブラントが仕組んだことだったことを突き止めたジョーンズ。
結果として、スコルピアのリーダーのゼルジャンがつかまり、
スコルピアも壊滅し、利益はあったが、あの襲撃事件は間違いだった、
でもこの先ああいう判断を下さなければいけなくなることがあるだろう、
と最後のアドバイスとしてジョーンズに伝え、ブラントがオフィスを去った。
そしてアレックス。後見人のジャックを失い、
普通の少年としてアメリカのサビナ一家と暮らすことになり、
心に大きな傷を抱えたまま空港からアメリカへ旅立った。
予想外のアンハッピーエンドでちょっとほろ苦なエンディングでした
ジャックが本当に死んじゃうとは。。。アメリカのご両親にはなんと説明するのか!(笑)
普通の少年にも戻れないけど、スパイとして返り咲くこともなさそうな
子供向けとは思えないちょっと暗い雰囲気のエンディングで
若干後味悪かったですが、でもやっぱりこのシリーズは面白かったです
↓↓
Scorpia Rising (Alex Rider) | |
クリエーター情報なし | |
Puffin |
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます