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仲良しのご近所さんが、溝に落ちてウロウロしていたという鳥を持ってきてくれた。くちばしが長くて、見たこともない鳥だ。目が大きくてとても可愛い。どうやらケガでもしているのか飛べないらしい。
地面におろしてみると、実家の裏庭の方まで歩いていったが、段差を上手く降りられない。どうも片一方の翼が変だ。
ご近所さんが、このままだと何かにすぐ食われてしまうなぁと言われる。食われなくても、道路に飛び出して車にはねられそうだ。
そこで、裏庭の溝に入ってなんとか隠れようとしている鳥を、ご近所さんにもう一度捕まえてもらった。くちばしがこんなに長いのだから、つついて攻撃したりしそうに思えるのに、弱っているからなのかとてもおとなしい。
捕まえてもらったのはいいが、その後どうすればいいのかわからない。野鳥に詳しい友だちがいるので、電話して事情を説明するとすぐにとんできて来てくれた。
一目見るなりアオシギかもしれないと言う。かなり珍しい冬鳥らしい。連れて帰ってくれたが、野鳥なので一時保護するために役所に届けを出したり、指定された病院に連れて行ったり、とても大変だったようだ。さらに、そのアオシギのために冷たい川に入って水棲昆虫まで捕まえてくれたらしい。
診察の結果、左の翼がまるっと無くなっていたそうだ。もう飛ぶことはできない。でも、なんとか元気になってほしいと思っていた。が、容態が急変し亡くなってしまった。歩ける程度には元気に思えたのだが、見た目よりずっと弱っていたのかもしれない。
でも、友だちがとってきた水棲昆虫はちゃんと食べたそうだ。最期に安全なあたたかい場所でお腹いっぱい食べられてよかった。ご近所さんにその話をすると、アオシギを保護した近くに翼があったと持ってきてくれた。とてもきれいな翼だった。
何かに襲われて必死に逃げて、その何かより先にご近所さんが見つけてくれたのかもしれない。痛かったよね。人間なら左の肩から先がもぎ取られたということなのだから。でも、その何かも生きるために必死だったのだろうから、なんだかとても複雑な気持ちだ。
アオシギは珍しい鳥なので、許可をとって剥製にし、野鳥関連の施設に展示されることになったそうだ。アオシギのために友だちを奔走させることになってしまった。しかし、それにしても関係各所への手続きその他、驚くべき手際の良さだった。アオシギも珍しいかもしれないが、私の友だちも稀有な存在だと確信した2日間だった。
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