アンサンブル・ド・ミューズ ニュースレター

レッスンの事、日々の出来事などいろいろと…。

飯盛り侍…♪

2015-11-26 09:56:46 | Weblog
『飯盛り侍 城攻めの猪』 井川香四郎著 講談社文庫
シリーズ3冊目です。
第二巻では海賊に襲われたり、不当な労役を強いられている島民を救ったり、そしてまた無理難題を見事に切り抜けた弥八
毛利家の台所奉行となって、主君毛利輝元から『飯盛(めしもり)の姓を賜り、ずいぶん出世してる。
第三巻は、石山本願寺に兵糧を届けるところからドラマがはじまる。
なんとか無事に兵糧を運びこんだあと、ここでも弥八は病から人を救う料理を作る。
弥八の料理って分子整合医学に基づいた栄養学を拠り所としているようで凄いよね。
新たな登場人物として雑賀孫一が加わる。
いわずとしれた鉄砲の名手、雑賀党の棟梁。
この男、実に気持ちのいい魅力のある人物である。
ふいに現れては弥八を助けてくれたりして頼もしい。
彼が山中から織田信長を狙撃するシーンなどワクワクする。
そして、なりゆきとはいえ、また不本意ではあれど織田信長に食事を供することになる。
そのとき、弥八が信長をどう評したか。
弥八の人を計る物差し、なるほど理に適っている。
この信長は史実のとおり本能寺において明智光秀に討たれるが、そのあとの秀吉の中国大返しにちょっとしたからくりがある。
このからくりがね、なるほどぉ、そういうことだったかぁと妙に納得できちゃうんだな。
それに絡んでいるのが玄蕃さんでさ…。
まさに馬鹿と鋏は使いようだよねぇぇ、玄蕃さん…
さらにもう一人、弥八と親交を深めた人物がいる。
それが山中鹿之助、彼もなかなかの好漢である。
史実のとおり尼子家再興のために奔走して、結果、毛利輝元に討たれてしまう。
お家再興を誓ったとき
「我に七難八苦を与え給え」
と天に祈った男は、彼なりの武士の一分を貫き通して果てた。
そんな男の悲恋が物語られるところにも弥八の心づくしの料理がある。
武士は武器をとって戦い、戦いは天下を狙う大名の手段である。
弥八は料理で人を動かし、守り、救っていく。
第一巻で
「おらぁ料理で戦ばしとっとよ」
といった通り、料理は平和な世の中を希求する弥八の唯一の武器であり手段である。
高松城開城を機に自ら毛利家を離れた弥八、これからどうなるかねぇ。
一度は料理を供した信長は果てた、光秀も。
天下は秀吉に向かって転がりはじめたが家康はまだ出てきていない。
おっ、千利休という大きな駒も関わってくるかもしれないなぁ…。
北条早雲とか、伊達政宗とかも…。
『弥八のいるところに勝戦あり』
といわれるような料理人になっていくんだって…。
ん~、先が楽しみだけど、さて、第4巻が出るのはいつだろう…。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする