11月2日(金)ジャスティン・ドイル指揮 ベルリンRIAS室内合唱団
東京オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル
【曲目】
1.バッハ/モテット「歌え、主に向かい新しい歌を」BWV225
2.メンデルスゾーン/3つの詩編 Op.78
1)詩編第2編「なにゆえ異邦の国々は騒ぎ立ち」
2)詩編第43編「神よ、私を裁き」
3)詩編第22編「わが神、わが神、なにゆえ私をお見捨てになったのですか」
3.バッハ/モテット「来たれ、イエスよ、来たれ」BWV229
4.ブルックナー/モテット集
1)この所はWAB23
2)アヴェ・マリアWAB6
3)キリストはわれらのためにWAB11
4)舌よ、歌えWAB31/WAB33
5)エサイの枝がWAB52
5.バッハ/モテット「イエス、わが喜びよ」BWV227
【アンコール】
♪ 岡野貞一/ジャスティン・ドイル編/朧月夜
先週、読響の定期で素晴らしい演奏を聴かせてくれたRIAS 室内合唱団の単独のアカペラコンサートを聴いた。曲目は全てドイツ系作曲家による宗教作品。
今夜は、合唱団から至近距離の真正面の席だったこともあり、響きの渦中に身を置き、倍音がビンビンと鳴るハーモニーを、身をもって体験した。艶やかで輝きのある鍛えられた一人一人の声が各パートでまとまり、それらが精緻なハーモニーを作り上げることで生まれるリアルな響きだ。
最初の曲、バッハのモテット「歌え、主に向かい新しい歌を」が瑞々しく弾けるように始まり、2群の合唱の8つのパートが、主旋律と、それを装飾するメリスマが絡まって聴かせる立体的な響きはどこまでも透明で、かつ奥行きを感じさせ、言葉の表情も豊かに描き出す。次のコラールとアリアの掛け合いでは、コラールが神様に寄せる純真な思いを伝えると、アリアはその心の更に内面にまで入り込んでくる。
「来たれ、イエスよ、来たれ」では、命の儚さゆえに神に身を委ねる人間の弱さと神の慈愛の深さが、「イエス、わが喜びよ」では、イエスに見守られ、全てを受け入れる強さが内面から湧いてくるのを感じた。これはもちろん、バッハの音楽の素晴らしさあってのことだが、その魅力をここまで生き生きと深く聴かせるこの合唱団は、まさに音楽による福音の理想的なメッセンジャーだ。
メンデルスゾーンの「3つの詩編」は、バッハより1世紀後に生まれ、豊かで多彩な和声と劇的な表現力を駆使したこの作曲家ならではの音楽が展開するが、RIAS室内合唱団が伝えるメッセージはバッハと同質の、深くて親密で敬虔な祈りであるのに対し、後半に演奏されたブルックナーでは、目も眩むような超自然的な神の威光が迫って来て、プロテスタントとの目指すものの違いがはっきりと示された。
読響との共演での印象を、感想で「スウェーデン放送合唱団とはまた違った色合いや香りを持つ」と書いたが、ここでは「スウェーデン」と同様の強靭で輝かしい「武器」もかざし、この合唱団の更なる底力に恐れ入ることとなった。この合唱団は、現代ものでも実力を十二分に発揮するに違いない。アンコールの日本語の曲でも、言葉への細やかな感性と、ハーモニーへの研ぎ澄まされ、かつ温かな感覚が伝わって来た。
今夜はNHKのテレビ放送の収録(放送は来年2月15日朝5時から)があったためか、ステージ上の照明が煌々と照らされ、客席前方もとても明るかったおかげで、プログラムの歌詞対訳が良く読めた。先週の読響のときは、手元が薄暗い上に対訳の文字が小さくて読むのが厳しかったので、今回は事前にネットで対訳を探して大きく印刷して用意したが、必要なかった。歌詞を伴う曲をやるときは、いつでもこのぐらい明るくしてくれるとありがたい。
鈴木雅明指揮 読響&RIAS室内合唱団 2018.10.26 サントリーホール
♪ブログ管理人の作曲♪
金子みすゞ作詞「さびしいとき」
金子みすゞ作詞「鯨法会」
以上2曲 MS:小泉詠子/Pf:田中梢(YouTube)
「森の詩」~ヴォカリーズ、チェロ、ピアノのためのトリオ~
MS:小泉詠子/Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美(YouTube)
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東京オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル
【曲目】
1.バッハ/モテット「歌え、主に向かい新しい歌を」BWV225
2.メンデルスゾーン/3つの詩編 Op.78
1)詩編第2編「なにゆえ異邦の国々は騒ぎ立ち」
2)詩編第43編「神よ、私を裁き」
3)詩編第22編「わが神、わが神、なにゆえ私をお見捨てになったのですか」
3.バッハ/モテット「来たれ、イエスよ、来たれ」BWV229
4.ブルックナー/モテット集
1)この所はWAB23
2)アヴェ・マリアWAB6
3)キリストはわれらのためにWAB11
4)舌よ、歌えWAB31/WAB33
5)エサイの枝がWAB52
5.バッハ/モテット「イエス、わが喜びよ」BWV227
【アンコール】
♪ 岡野貞一/ジャスティン・ドイル編/朧月夜
先週、読響の定期で素晴らしい演奏を聴かせてくれたRIAS 室内合唱団の単独のアカペラコンサートを聴いた。曲目は全てドイツ系作曲家による宗教作品。
今夜は、合唱団から至近距離の真正面の席だったこともあり、響きの渦中に身を置き、倍音がビンビンと鳴るハーモニーを、身をもって体験した。艶やかで輝きのある鍛えられた一人一人の声が各パートでまとまり、それらが精緻なハーモニーを作り上げることで生まれるリアルな響きだ。
最初の曲、バッハのモテット「歌え、主に向かい新しい歌を」が瑞々しく弾けるように始まり、2群の合唱の8つのパートが、主旋律と、それを装飾するメリスマが絡まって聴かせる立体的な響きはどこまでも透明で、かつ奥行きを感じさせ、言葉の表情も豊かに描き出す。次のコラールとアリアの掛け合いでは、コラールが神様に寄せる純真な思いを伝えると、アリアはその心の更に内面にまで入り込んでくる。
「来たれ、イエスよ、来たれ」では、命の儚さゆえに神に身を委ねる人間の弱さと神の慈愛の深さが、「イエス、わが喜びよ」では、イエスに見守られ、全てを受け入れる強さが内面から湧いてくるのを感じた。これはもちろん、バッハの音楽の素晴らしさあってのことだが、その魅力をここまで生き生きと深く聴かせるこの合唱団は、まさに音楽による福音の理想的なメッセンジャーだ。
メンデルスゾーンの「3つの詩編」は、バッハより1世紀後に生まれ、豊かで多彩な和声と劇的な表現力を駆使したこの作曲家ならではの音楽が展開するが、RIAS室内合唱団が伝えるメッセージはバッハと同質の、深くて親密で敬虔な祈りであるのに対し、後半に演奏されたブルックナーでは、目も眩むような超自然的な神の威光が迫って来て、プロテスタントとの目指すものの違いがはっきりと示された。
読響との共演での印象を、感想で「スウェーデン放送合唱団とはまた違った色合いや香りを持つ」と書いたが、ここでは「スウェーデン」と同様の強靭で輝かしい「武器」もかざし、この合唱団の更なる底力に恐れ入ることとなった。この合唱団は、現代ものでも実力を十二分に発揮するに違いない。アンコールの日本語の曲でも、言葉への細やかな感性と、ハーモニーへの研ぎ澄まされ、かつ温かな感覚が伝わって来た。
今夜はNHKのテレビ放送の収録(放送は来年2月15日朝5時から)があったためか、ステージ上の照明が煌々と照らされ、客席前方もとても明るかったおかげで、プログラムの歌詞対訳が良く読めた。先週の読響のときは、手元が薄暗い上に対訳の文字が小さくて読むのが厳しかったので、今回は事前にネットで対訳を探して大きく印刷して用意したが、必要なかった。歌詞を伴う曲をやるときは、いつでもこのぐらい明るくしてくれるとありがたい。
鈴木雅明指揮 読響&RIAS室内合唱団 2018.10.26 サントリーホール
♪ブログ管理人の作曲♪
金子みすゞ作詞「さびしいとき」
金子みすゞ作詞「鯨法会」
以上2曲 MS:小泉詠子/Pf:田中梢(YouTube)
「森の詩」~ヴォカリーズ、チェロ、ピアノのためのトリオ~
MS:小泉詠子/Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美(YouTube)
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