10月22日(金)アレクサンドル・ラザレフ指揮 日本フィルハーモニー交響楽団
第734回東京定期演奏会
サントリーホール
【曲目】
1.リムスキー=コルサコフ/「金鶏」組曲
2.リムスキー=コルサコフ/ピアノ協奏曲嬰ハ短調 Op.30
【アンコール】
♪ リスト/愛の夢第3番
Pf:福間洸太郎
3.ショスタコーヴィチ/交響曲第10番ホ短調 Op.93
ラザレフ指揮日フィルはいつも評判がいいが、前回ラザレフを聴いて感銘を受け、また聴きたいと思っているうちに12年も経ってしまった。久々にラザレフと日フィルの素晴らしい演奏を堪能し、更に両者の相性の良さを認識した。
ラザレフはステージに登場して聴衆の拍手に応える様子からも、温かい人間味溢れるサービス精神が窺える。演奏でもハートがこもり、聴衆に親密でアクティブに語りかけてくる。このラザレフのテイストに日フィルの持ち味がぴったりマッチしていて、温かな音色で、熱い音楽を語り聞かせてくれた。
そんなアプローチは最初の「金鶏」組曲にもぴったりで、昔の物語を聴いているような気分になった。心暖まる話やワクワクする話を、ランプが灯る暖かな部屋で語り手から間近で聴いている気分。弦の語り口の巧さをはじめ日フィルの親密な演奏に浸った。
次のリムスキー=コルサコフのピアノ協奏曲、この作曲家がピアノコンチェルトを書いていたことは知らなかった。曲は短くもロマン色が濃厚で、ゴージャスな雰囲気を感じる。福間洸太郎のピアノはロマンチックな気分に染まることなく、作品をキリッと引き締めつつ、明快で磨きのかかった硬質な輝きのある音で華麗な演奏を繰り広げた。作品自体は、技巧的な短いフレーズの反復進行が多い印象で、コルサコフらしい旋律美はあまり感じられなかった。アンコールでは福間のキラリと光る内面の輝きに触れることができた。
後半はショスタコーヴィチの大作。これはラザレフと日フィル双方の持ち味が最大限に発揮された感動の演奏となった。この曲は作曲者の強烈なアイロニーが込められたシビアな作品という見方もあるが、ラザレフはもっとポジティブな演奏を目指しているように感じた。
第1楽章の山場など、倍音がビンビン聴こえる純度の高い凝縮した響きで音楽が凄い形相で迫り、焦げ臭さが充満するような緊迫する場面もあったが、それを払いのけて支配したのは熱くてポジティブなオーラ。イケイケ押せ押せの場面でオケが一丸となって攻めてくるエネルギーも凄いが、語りの巧さと温かな包容力も特筆すべき聴きどころとなった。こうした一つ一つの積み重ねが、心踊る圧倒的な最終盤の大団円をもたらしたと云える。
会場は大いに盛り上がり、オケが退場してようやく退場を許されたラザレフが再びステージに呼び戻され、スタンディングオベーションとなった。
こんな具合に、ラザレフは終演後、オケが退場するまでステージに残って団員を称え続け、団員がいなくなってから自分も退場した。入場のときはオケより先に一人で登場してオケのメンバーを迎えた。プロムシュテットのときもこうだったけれど、これは感染対策として当局が指示しているそうだ。
ラザレフはこれを楽しんでいる様子だったが、意味ない上にアーティストに余計な負担を強いている。こんなことやらせてないで早く来日アーティストの規制を緩和して欲しいものだ。留学生だって研究者だってそうだ。変異株?そんなの国内でも生まれるし、帰国者がどんどん持ち込む。規制を強めれば安心安全だなんて幻想は捨てるべき。
ラザレフ指揮 日本フィル(プロコフィエフ/交響曲第1、7番 他)2009.1.16 サントリーホール
広上淳一指揮 日本フィル 再開定期公演:ブラ12020.7.10 サントリーホール
#文化芸術は生きるために必要だ
♪ブログ管理人の作曲のYouTubeチャンネル♪
最新アップロード:「紅葉」(メゾソプラノ、チェロ、ピアノ連弾用アレンジ)
拡散希望記事!やめよう!エスカレーターの片側空け
第734回東京定期演奏会
サントリーホール
【曲目】
1.リムスキー=コルサコフ/「金鶏」組曲
2.リムスキー=コルサコフ/ピアノ協奏曲嬰ハ短調 Op.30
【アンコール】
♪ リスト/愛の夢第3番
Pf:福間洸太郎
3.ショスタコーヴィチ/交響曲第10番ホ短調 Op.93
ラザレフ指揮日フィルはいつも評判がいいが、前回ラザレフを聴いて感銘を受け、また聴きたいと思っているうちに12年も経ってしまった。久々にラザレフと日フィルの素晴らしい演奏を堪能し、更に両者の相性の良さを認識した。
ラザレフはステージに登場して聴衆の拍手に応える様子からも、温かい人間味溢れるサービス精神が窺える。演奏でもハートがこもり、聴衆に親密でアクティブに語りかけてくる。このラザレフのテイストに日フィルの持ち味がぴったりマッチしていて、温かな音色で、熱い音楽を語り聞かせてくれた。
そんなアプローチは最初の「金鶏」組曲にもぴったりで、昔の物語を聴いているような気分になった。心暖まる話やワクワクする話を、ランプが灯る暖かな部屋で語り手から間近で聴いている気分。弦の語り口の巧さをはじめ日フィルの親密な演奏に浸った。
次のリムスキー=コルサコフのピアノ協奏曲、この作曲家がピアノコンチェルトを書いていたことは知らなかった。曲は短くもロマン色が濃厚で、ゴージャスな雰囲気を感じる。福間洸太郎のピアノはロマンチックな気分に染まることなく、作品をキリッと引き締めつつ、明快で磨きのかかった硬質な輝きのある音で華麗な演奏を繰り広げた。作品自体は、技巧的な短いフレーズの反復進行が多い印象で、コルサコフらしい旋律美はあまり感じられなかった。アンコールでは福間のキラリと光る内面の輝きに触れることができた。
後半はショスタコーヴィチの大作。これはラザレフと日フィル双方の持ち味が最大限に発揮された感動の演奏となった。この曲は作曲者の強烈なアイロニーが込められたシビアな作品という見方もあるが、ラザレフはもっとポジティブな演奏を目指しているように感じた。
第1楽章の山場など、倍音がビンビン聴こえる純度の高い凝縮した響きで音楽が凄い形相で迫り、焦げ臭さが充満するような緊迫する場面もあったが、それを払いのけて支配したのは熱くてポジティブなオーラ。イケイケ押せ押せの場面でオケが一丸となって攻めてくるエネルギーも凄いが、語りの巧さと温かな包容力も特筆すべき聴きどころとなった。こうした一つ一つの積み重ねが、心踊る圧倒的な最終盤の大団円をもたらしたと云える。
会場は大いに盛り上がり、オケが退場してようやく退場を許されたラザレフが再びステージに呼び戻され、スタンディングオベーションとなった。
こんな具合に、ラザレフは終演後、オケが退場するまでステージに残って団員を称え続け、団員がいなくなってから自分も退場した。入場のときはオケより先に一人で登場してオケのメンバーを迎えた。プロムシュテットのときもこうだったけれど、これは感染対策として当局が指示しているそうだ。
ラザレフはこれを楽しんでいる様子だったが、意味ない上にアーティストに余計な負担を強いている。こんなことやらせてないで早く来日アーティストの規制を緩和して欲しいものだ。留学生だって研究者だってそうだ。変異株?そんなの国内でも生まれるし、帰国者がどんどん持ち込む。規制を強めれば安心安全だなんて幻想は捨てるべき。
ラザレフ指揮 日本フィル(プロコフィエフ/交響曲第1、7番 他)2009.1.16 サントリーホール
広上淳一指揮 日本フィル 再開定期公演:ブラ12020.7.10 サントリーホール
#文化芸術は生きるために必要だ
♪ブログ管理人の作曲のYouTubeチャンネル♪
最新アップロード:「紅葉」(メゾソプラノ、チェロ、ピアノ連弾用アレンジ)
拡散希望記事!やめよう!エスカレーターの片側空け