facciamo la musica! & Studium in Deutschland

足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

守屋山と甘利山 初夏の南アルプス前衛の山をたずねる旅 

2007年06月11日 | 山&ハイキング
 2007年6月2日(土)時々~6月3日(日)

毎年泊まりに行く新宿区の保養施設「グリーンヒル八ヶ岳」をベースに週末、入梅前の初夏の山歩きを楽しんだ。

守屋山

初日に訪れた守屋山は諏訪湖の南、杖突峠から近い標高1650メートルの落ち着いた静かな山。

登山口付近はシダやもうシーズンは過ぎたが座禅草などの湿生植物が生え、花の種類も多い。木道なんかもあって歩いていて楽しい。あたりはセミの大合唱!

登山道はやがてカラマツの明るい森に入っていく。いつしかセミの声は聞こえなくなり、ウグイスをはじめ野鳥のさえずり声(なんの鳥だかわからない…)があちこちに響く。ときどき大きな白樺もあって白い幹と鮮やかな緑がきれいだ。立派なブナの木にも出くわした。登山道には紫系のスミレなどの花々が目を楽しませてくれ、とても楽しい道だ。



そのうち道はかなり急になり「胸突き坂」の看板が。「あと10分、頑張れ!」と書いてある。急坂の途中には途中鎖のある岩場などもあってちょっとしたスリルも味わえる。道が緩やかになったら山頂は近い。



岩がゴツゴツした守屋山東峰の山頂からの眺めは抜群!眼下に諏訪湖の水面がキラキラと光り、霧が峰や車山方面のなだらかな山並み、雄大な八ヶ岳、蓼科山、南アルプスはあいにく雲に隠れていたが、甘利山などの南アルプス前衛の山々が穏やかに佇んでいた。岩の上で食べたおにぎりはうまい!


諏訪湖はさすがに大きい!


カラマツ林の向こうに南アルプス前衛の山々が佇む

東峰から隣の西峰へはなだらかな道を20分ほどで行ける。ここもスミレがあちこちに咲いている。西峰には一等三角点があり、標高も東峰より30メートルほど高いが、眺めは木が少ない東峰のほうがすぐれている。



西峰の山頂は誰かが手入れしたような芝生みたいな草地が広がっていて、弁当を食べるのはこちらのほうがいいかも。ここでコーヒーを沸かし、お菓子を食べ、草地にごろ寝。ウ~ン、気持ちいい!!


いろんな花が楽しめ、野鳥の声に囲まれ、変化に富んだ明るく歩きやすい山道、素晴らしい眺め、程よい歩行距離… 
初日の子連れの山歩きにはぴったりの楽しいコースだった。

午後もすこしまわったあたりから登りはじめたせいか、下る人達とは何人もすれ違ったが、おれたちが山頂に着いてからはひとりも会う人はいなかった。
好天の週末でも静かな山だ。

《所要時間》
登り始め地点キャンプ場 0:25
キャンプ場東峰山頂 0:48
東峰西峰 0:17
西峰東峰 0:20
東峰キャンプ場 0:45

《登山道までの行き方》
中央道の諏訪インターから国道20号を少々戻り、高遠へ通じる国道152号へ入る。杖突峠のドライブインを過ぎて間もなくすると進行方向右側へ未舗装の守屋林道を入る。

「高遠長谷部アジア公園」と書かれたエキゾチックな雰囲気の妙な看板が道すがらいくつも立っている。やがてT字路になる手前に「守屋山」の看板がある登山道が見えたので、T字路の横にあった広いスペースに車を停めて登山道に入った。

でも実はT字路を更に車で右にずっと行くと本当の登山口まで行けることがわかった。登山口付近は広々としたキャンプ場になっている。ただ、うちらが車を停めて歩いた道では上では見られなかった花があったり、木道があったりと、歩いたほうが楽しい。


グリーンヒル八ヶ岳

新宿区の保養施設、区民健康村「グリーンヒル八ヶ岳」は八ヶ岳と南アルプスを間近に望む長坂の丘の上の広大な敷地にある。
ここでの一番の楽しみはおいしい会席料理の夕食。浴衣禁止のレストランで温かい料理を順番に運んでくれる。今回も清里の地ビール「タッチダウンビール」とすぐ近所の造り酒屋の老舗「七賢」の冷酒をいただきながら贅沢な夕食を楽しんだ。

宿泊にはそのレストランやバーデハウス、スポーツジムなどを備えた本館と、赤松の林に点在するコテージがあるが、今回は久々にコテージ割り振られた。

このコテージは大きなログハウスで木の香りが心地よい。2フロアの1階は広いLDKに和のスペースもついている。2階は寝室が2部屋あり、屋根の傾斜を天井に用いた山小屋風の造り。静かな森の中、羽根布団をかけて眠れば気分は極上。

翌日は朝の温泉につかり朝食を食べた後、コテージのバルコニーで本を読んだりアイスを食べたり、1階の広い室内で去年の暮れに買ってまだ1度も遊んでいなかった話題の赤外線ヘリコプターを飛ばしたり、11時のチェックアウトまでのんびりとコテージライフを楽しんだ。


チェックアウト後、本館のバーデハウスで泳いだりジャグジやミスとサウナでリラックス。身も心もゆるりとして、このままボーっとしていたいところだが、せっかく良い天気なので甘利山へ出かけることにした。

これほどの宿泊施設を親子4人で利用して1泊2食で合計2万円かからないという信じられない安さ。新宿区に限らず、自治体の保養所は絶対お得で快適なはず。是非是非利用すべき。


甘利山

グリーンヒル八ヶ岳の行きや帰りによく寄る甘利山(1672m)は南アルプス鳳凰三山の前衛の山で、富士山の眺めがとてもよい。
頂上近くまで車で行けて、山頂近くの広々とした高原に咲く花々を眺めながらの散歩は楽しく、お手頃に眺望や自然を満喫できる。甘利山に来るのはもう何度目かわからないほどだ。



お昼頃まで晴天だった空はあいにく曇り空になってしまい、富士山は姿をみせてくれなかったが、甘利山の山頂の「シンボル」の大きな白樺の木をはじめ、初夏の高原の新緑の彩りが目に沁みる。

広い頂上でおにぎりを食べていたら、更に奥の千頭星山へ向かう山の斜面のあちこちが濃いピンク色の色づきが見える。「何の花かな?」と見たくなって、今回初めて甘利山の山頂から先に歩を進めることにした。

甘利山の山頂を下って少々登り返したところに、そのピンク色の花が咲いていた。甘利山の名物のレンゲツツジとは違う種類の、目に沁みるようなピンクのツツジだった。これが、この先の奥甘利山の山頂のほうまであちこちに群落していて、新緑の遠景をバックに眺めるとことのほかきれい。



初めて立った奥甘利山の山頂(1843m)は木立の中にあり展望はきかない。でもここでは2重3重に聞こえる山びこがすごい。子供たちと一緒に夢中で「ヤッホー!」を連呼した。遠くではウグイスの声に交ざってカッコウの声も。カッコウが托卵で他の鳥のヒナを巣から突き落とすショッキングなシーンをテレビで見て以来どうも好きになれないが…

奥甘利山からは来た道を駐車場まで戻った。こんどはここの周回コースを歩くのも楽しそうだ。



《所要時間》
グリーンロッジ前駐車場甘利山山頂 0:20
甘利山山頂奥甘利山山頂 0:35
奥甘利山山頂甘利山山頂 0:30
甘利山山頂グリーンロッジ前駐車場 0:20

《グリーンロッジ前駐車場までの行き方》
長坂方面から国道20号を韮崎へ走る。韮崎で釜無川にかかる船山橋の手前に「甘利山」の標識がある。これに従って右折して橋を渡り、またすぐ右折すると「甘利山まで15キロ」の標識がある。

甘利山までの道は一本道の舗装道路。ところどころに「熊出没注意」の看板が出ているが、今にも動物が出てきそうな山道だ。実際、行きと帰りに同じ場所で猿の群れに出くわした。
日が沈んでからこの道を通れば、きっとカモシカ、イノシシあたりはお目にかかれそうだし、熊にも遭えそう… 道はどんどん標高を上げ1500mを過ぎたところでグリーンロッジ前の広い駐車場に着く。


甘利山レンゲツツジ

甘利山はレンゲツツジの名所として知られている。ただ、開花の時期は通常は6月中旬なので、毎年のようにグリーンヒル八ヶ岳に泊まりに来た時に訪れる5月下旬や6月初旬ではレンゲツツジを見ることはできない。

ところが、今からもう9年も前のこと、1998年の5月の終わりに甘利山を訪れたとき、山頂付近一帯の高原一面をレンゲツツジの群落が真っ紅に覆った見事な光景に偶然にも出逢うことができた。なだらかな山頂付近の丘陵の遥か彼方までレンゲツツジに包まれた光景を目の前にして言葉を失った。

レンゲツツジのシーズンは車と人でたいへんな混雑になるそうだが、例年よりもあまりに早い開花のせいか、ほかには誰も人はおらずシーンと静まり、夢のような世界に浸ったのを鮮明に覚えている。

あの光景に出逢って以来、早咲きのレンゲツツジを期待して今頃の時季に何度も登っているが、いつでも花はまだ硬い蕾の中にわずかに紅の色をうかがわせるだけ…おまけに甘利山のレンゲツツジはその後数が随分減ったとか。 あの時の光景がますます夢の中の出来事のようだ。


1998年5月末の甘利山は桃源郷のような光景が広がっていた




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« タリス・スコラーズ | トップ | 新国立劇場オペラ公演 「ば... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

山&ハイキング」カテゴリの最新記事