facciamo la musica! & Studium in Deutschland

足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

MAROワールド「シューマン」

2006年03月19日 | pocknのコンサート感想録2006
3月19日(日)MAROワールドVol.5“シューマン”
王子ホール

【曲目】
1.シューマン/ピアノ四重奏曲変ホ長調op.47
トークコーナー(まろ&中嶋朋子)+シューマン/トロイメライ
2.シューマン/ピアノ五重奏曲変ホ長調op.44
アンコール:ブラームス/ピアノ五重奏曲へ短調op.34~第3楽章


【演 奏】
Vn:篠崎史紀、伝田正秀/Vla:鈴木康浩/Vc:上森祥平/Pf:清水和音 
(ゲスト/朗読)中嶋朋子


好評のMAROワールドも回を重ね5回目を迎えた。今回は没後150年を迎えたシューマンがテーマで、ピアノが加わる2つの室内楽の名品が披露された。MAROワールドでいつも感じることだが、プレーヤー個々の演奏も、アンサンブルとしての演奏も本当に響きが充溢した、充実感みなぎる演奏となった。

まろさんの艶やかさのあるヴァイオリンは相変わらず冴え、上森さんの柔らかく撫でるようなふくよかなチェロは聴き手の心を豊かにしてくれ、前回のMAROワールドでも耳をひいた鈴木さんのヴィオラは、今回ますます熱く語り、アンサンブルの要にさえなっている感じ。クィンテットで登場した伝田さんのヴァイオリンもしっかりした存在感を感じた。そして、清水和音のピアノは磨かれた音で繊細かつ大胆に、弦楽器のアンサンブルと競演した。

トークでまろさんが、「シューマンの音楽は基本的にどれもクララへの熱烈な愛の表現」と言っていたが、シャイな日本人の枠を破り、たっぷりとした深い情感と燃える思いを100%出し切る本当に密度の濃い、エネルギーに溢れる演奏だった。

ゲストの中嶋さんはシューマンのクララへの手紙を朗読。幸せいっぱいの手紙から、苦悩する内容の手紙まで、シューマンの様々な気持ちに接したせいか、朗読のあとで聴いたクィンテットでは、それまで持っていた「この楽章はこんな感じの音楽…」という大雑把だったイメージが、大きな流れの中にも細やかな様々な気持ちがたくさん織り込まれていることを気づかせてくれた。

今回はトークの間に和音さんの弾く「トロイメライ」や、前回の感動が蘇るブラームスのアンコールがあったりと、嬉しいおまけ付きで、ますますMAROワールドの魅力が増してきた。

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