5月8日（月）準・メルクル 指揮 台湾フィルハーモニック／東京メトロポリタン合唱団、八角塔男声合唱団
東京オペラシティ コンサートホール ﾀｹﾐﾂﾒﾓﾘｱﾙ
【曲目】
1．ドビュッシー／交響詩「海」
2．ブルッフ／スコットランド幻想曲 Op.46
（アンコール）
♪ マスネ／タイスの瞑想曲
♪ イグデスマン／ファンク・ザ・ストリング
Vn：リチャード・リン
3．金希文／ゴールデン・ビーム・オン・ザ・ホライズン・オブ・フォルモサ（日出台灣）
4．ベートーヴェン／合唱幻想曲ハ短調 Op.80
Pf：福間洸太朗／S：安井陽子、種谷典子／A：杉山由紀／T：福井敬、与儀巧／Bar：甲斐栄次郎
（アンコール）
♪ 蕭泰然／ジ・エンジェル・フロム・フォルモサ
大好きな台湾からオーケストラがやって来た。しかも指揮は、N響に度々客演してお気に入りだったのに、その後招ばれなくなってしまって久しい準・メルクルとなれば行くしかない。会場はいつになく賑やかで華やかな雰囲気。台湾人のお客さんがとても多い印象。
台湾フィルの演奏は、どの曲もエネルギッシュで熱い。アンサンブルの精度の高さは、最初のドビュッシーの「海」で実感。各パートの音が鮮やかに浮き立ち、立体感のある明晰で切れ味抜群のサウンドで引き付けてきた。弦の第1プルトの面々の勇ましく食らいついてくる表情や姿勢と、聴こえてくる演奏がシンクロして、聴き手の気分を一層高めていった。個々の表現が無駄なく鮮やかで全体もしっかりと構築された音楽作りは、メルクルの面目如実といったところ。
「スコットランド幻想曲」は、ヴァイオリンのリチャード・リンの独壇場となった。ピーンとした芯のある高貴な美しい音で、濃厚で熱く、伸びやかでアグレッシブに心に掴みかかって来た。聴かせどころでわずかに音をずり上げるようなコブシを効かせたり、弓を最大限に使ってダイナミックに音楽を捉えたりするところは、この前N響との共演で聴いた同じ台湾出身のレイ・チェンとの共通点を感じた。第3楽章での超絶技巧と息吹みなぎる踊りも見事。オケとのガチなバトルも聴きもので、嬉々として音楽を伝える堂々とした演奏に魅了された。
きれいな日本語で挨拶したリンさんが、アンコールでハープと共に演奏したタイスの瞑想曲はたっぷりと朗々と歌い、ソロで弾いたロックンロールで最高潮！会場は歓声と大喝采に包まれた。
後方バルコニー席一杯に合唱団が入って休憩後の最初に演奏されたのは、台湾人作曲家金希文の台湾讃歌とも云うべき作品。おおらかで優しさに溢れた、正に台湾を象徴するような音楽が、伸びやかに響き渡る合唱とともにホールに満たされた。素直な喜びを親密に呼びかけて聴き手を包み、あたたかな気持ちで満たした。
最後は、これにピアノとソリスト陣が加わった「合唱幻想曲」。好きな曲だが、編成や微妙な演奏時間が原因か、演奏される機会は稀で、実演に接するのは初めてかも。毅然と始まった福間洸太朗のピアノソロは、重くなり過ぎることなく、強靭で深いタッチで颯爽と劇的なドラマを繰り広げていった。やがてそこにオケ、ソリスト陣、合唱が加わって展開する音楽を、メルクル／台湾フィルらは整然と畳みかけ、クライマックスは尋常ならざるほどスペクタクル的に盛り上がり大団円を迎えた。太棒了
メルクルさんも日本語で挨拶。その後のアンコールにも心和んだ。
今夜の演奏会は、台湾からの応援団や在日台湾人の招待客が多くを占めていたようで、都心の音楽ホールでは珍しくほぼ全ての楽章の後に拍手が入った。台湾からのお客さんが多いことはいいのだが、これほど素晴らしい演奏会は、普段からコンサート通いをしている日本の聴衆にも是非もっと聴いてもらいたいと思った。
東京二期会オペラ劇場「イドメネオ」（メルクル指揮） 2014.9.12 新国立劇場
メルクル指揮 ＮＨＫ交響楽団 2013.2.21 サントリーホール
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（アンコール）
♪ 蕭泰然／ジ・エンジェル・フロム・フォルモサ
大好きな台湾からオーケストラがやって来た。しかも指揮は、N響に度々客演してお気に入りだったのに、その後招ばれなくなってしまって久しい準・メルクルとなれば行くしかない。会場はいつになく賑やかで華やかな雰囲気。台湾人のお客さんがとても多い印象。
台湾フィルの演奏は、どの曲もエネルギッシュで熱い。アンサンブルの精度の高さは、最初のドビュッシーの「海」で実感。各パートの音が鮮やかに浮き立ち、立体感のある明晰で切れ味抜群のサウンドで引き付けてきた。弦の第1プルトの面々の勇ましく食らいついてくる表情や姿勢と、聴こえてくる演奏がシンクロして、聴き手の気分を一層高めていった。個々の表現が無駄なく鮮やかで全体もしっかりと構築された音楽作りは、メルクルの面目如実といったところ。
「スコットランド幻想曲」は、ヴァイオリンのリチャード・リンの独壇場となった。ピーンとした芯のある高貴な美しい音で、濃厚で熱く、伸びやかでアグレッシブに心に掴みかかって来た。聴かせどころでわずかに音をずり上げるようなコブシを効かせたり、弓を最大限に使ってダイナミックに音楽を捉えたりするところは、この前N響との共演で聴いた同じ台湾出身のレイ・チェンとの共通点を感じた。第3楽章での超絶技巧と息吹みなぎる踊りも見事。オケとのガチなバトルも聴きもので、嬉々として音楽を伝える堂々とした演奏に魅了された。
きれいな日本語で挨拶したリンさんが、アンコールでハープと共に演奏したタイスの瞑想曲はたっぷりと朗々と歌い、ソロで弾いたロックンロールで最高潮！会場は歓声と大喝采に包まれた。
後方バルコニー席一杯に合唱団が入って休憩後の最初に演奏されたのは、台湾人作曲家金希文の台湾讃歌とも云うべき作品。おおらかで優しさに溢れた、正に台湾を象徴するような音楽が、伸びやかに響き渡る合唱とともにホールに満たされた。素直な喜びを親密に呼びかけて聴き手を包み、あたたかな気持ちで満たした。
最後は、これにピアノとソリスト陣が加わった「合唱幻想曲」。好きな曲だが、編成や微妙な演奏時間が原因か、演奏される機会は稀で、実演に接するのは初めてかも。毅然と始まった福間洸太朗のピアノソロは、重くなり過ぎることなく、強靭で深いタッチで颯爽と劇的なドラマを繰り広げていった。やがてそこにオケ、ソリスト陣、合唱が加わって展開する音楽を、メルクル／台湾フィルらは整然と畳みかけ、クライマックスは尋常ならざるほどスペクタクル的に盛り上がり大団円を迎えた。太棒了
メルクルさんも日本語で挨拶。その後のアンコールにも心和んだ。今夜の演奏会は、台湾からの応援団や在日台湾人の招待客が多くを占めていたようで、都心の音楽ホールでは珍しくほぼ全ての楽章の後に拍手が入った。台湾からのお客さんが多いことはいいのだが、これほど素晴らしい演奏会は、普段からコンサート通いをしている日本の聴衆にも是非もっと聴いてもらいたいと思った。
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