POULET AUX PRUNES (2012)
コミカルで、人間くさくて、愚かで、ビター。「ペルセポリス」のマルジャン・サトラビ原作コミックの映画化、死を決意した天才バイオリン奏者の最後の8日間と彼の人生を巡る辛口のコメディ。
舞台はテヘランだが、とてもフランス映画らしい映画。ところどころに挟まれる奇妙な寓話や、死の天使アズラエルが登場する現実とも空想ともつかぬマジック・リアリズム的な手法も、主人公ナセル・アリのコミカルでオーバーな演技やコミック原作の雰囲気を生かした美しいビジュアルとエフェクトで違和感が無く溶け込める。
音楽家の主人公の人生を巡る物語は、彼の作り出す音を巡る物語でもある。彼のバイオリンの師匠が語る「技術は誰でも極められる、しかし音楽は芸術だ、芸術とは人生に何かを与える存在で無ければならない」と言う言葉はそのまま彼の運命に関わってくる。彼は自分の音を手に入れ、そしてその無二の特別な音のために死を選択することになる訳だ。
この映画に出てくる人物は他人から見れはわがままで矛盾しているだろう。自分に正直であろうとするあまり不器用に成らざるを得ない人々。そこには万人に受け入れられる正解も無ければ、自殺さえも肯定される。不器用にしか生きられない人々の矛盾した行為の本当の理由を知った時、同じくわがままで不器用に生きてきた私は自分をそこに重ね、涙が止まらなかったんである。わがままで甘ったれた愛すべきロマンティストの、色とりどりのアイシングでデコレーションされた小さなビターチョコレートような映画。
映画にも重要な料理として出てくる白いご飯の上に乗ってたチキンのプラム煮、食べたい・・・
コミカルで、人間くさくて、愚かで、ビター。「ペルセポリス」のマルジャン・サトラビ原作コミックの映画化、死を決意した天才バイオリン奏者の最後の8日間と彼の人生を巡る辛口のコメディ。
舞台はテヘランだが、とてもフランス映画らしい映画。ところどころに挟まれる奇妙な寓話や、死の天使アズラエルが登場する現実とも空想ともつかぬマジック・リアリズム的な手法も、主人公ナセル・アリのコミカルでオーバーな演技やコミック原作の雰囲気を生かした美しいビジュアルとエフェクトで違和感が無く溶け込める。
音楽家の主人公の人生を巡る物語は、彼の作り出す音を巡る物語でもある。彼のバイオリンの師匠が語る「技術は誰でも極められる、しかし音楽は芸術だ、芸術とは人生に何かを与える存在で無ければならない」と言う言葉はそのまま彼の運命に関わってくる。彼は自分の音を手に入れ、そしてその無二の特別な音のために死を選択することになる訳だ。
この映画に出てくる人物は他人から見れはわがままで矛盾しているだろう。自分に正直であろうとするあまり不器用に成らざるを得ない人々。そこには万人に受け入れられる正解も無ければ、自殺さえも肯定される。不器用にしか生きられない人々の矛盾した行為の本当の理由を知った時、同じくわがままで不器用に生きてきた私は自分をそこに重ね、涙が止まらなかったんである。わがままで甘ったれた愛すべきロマンティストの、色とりどりのアイシングでデコレーションされた小さなビターチョコレートような映画。
映画にも重要な料理として出てくる白いご飯の上に乗ってたチキンのプラム煮、食べたい・・・
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます