夜寝れなかったので深夜2時に着替えて1人で室堂から頂上に向け歩き始めた。
(寝れなかったのではなく、早々に酒飲んで寝たので2時に目が覚めたのだろう)
頂上と室堂の中間地点にさしかかると少し前方に
髪の長い女性が「しんどい〜しんどい〜」と言いながら立っている。
その髪の長い女性はか細い声で「お先にどうぞ~」と言った。
時間にして20秒程だろうか後ろから上がって来る気配がするが
変に思い振り返ったが誰もいなかった。
ゾッゾッーと恐怖が走った。
後ろを振り向く事が出来ずに走るように歩いた。
あまりの心細さに誰かいないかと探したが誰もいない。
ずっと下に見える室堂辺りはようやくライトが2つ3つ見えた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/28/a34aee2c97c88196d1a7bbcd82be3918.jpg)
登山者が上がって来るまでとても怖かった。
あんな真っ暗な登山道でライトをつけず、そして髪は束ねず、あれは幽霊に違いないと私に言った。
もし顔を見ていたら腰を抜かして這ってその場から
逃げたのではないかとも言っていた。
この話しは一緒に登った仲間は知らせず、後日1人にだけ話したという。
後からご来光を拝みに来た仲間数人に何故話さなかったのか?
真っ暗な頂上にポツポツと人が上がってきて、ホッとしたに違いない。
いつしか頂上は200人程になっていたので言いそびれて
しまったようだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/14/e579d31d420061136fceb130401c3fb9.jpg)
そしてこの話を私から一緒に登ったK氏に伝えてくれと言った。
後日K氏に伝えると、毎年数人は亡くなっている、今年も別山で滑落して亡くなったと言う。
しかし、山で亡くなる原因の多くは病気だそうだ。
(心臓や脳の血管系の病気)
深夜、それもライトをつけないのはおかしい、月と星明かりがあれば何となく道は見える時もあるが、その日は真っ暗でライトは必需品だ。
K氏曰く「山に来る人の中には変な人が時折いる!」
「きっとその変な人に違いない!!」
幽霊ではなく変な人なのだそうだ。
K氏の発言をT氏に伝えると
確かに変な人はいる、でもあの髪の長い女性は変過ぎる。
そういうK氏は登山靴の代わりに白い長靴(食品工場で見る、耐油、引っ掛けに強い、踏み貫きが怖いのでステンレスを敷く)で登山する。
当然登山靴は持っているが平生はこれで十分らしい。
長靴で一日2往復もした事がある健脚の持ち主。
白山を庭化しているのである。
そしていつかは白山の生き字引になるに違いない。
お休みなさい。