関東大震災(1923年)で東京帝国大学(当時)の図書館は焼失し、40万冊とも言われる蔵書が灰燼に帰した。現在の東京大学総合図書館の建物は震災後にロックフェラー財団からの寄付によって再建されたものである。蔵書についても、国内外から多数の貴重書、コレクションが寄贈されている。その際に寄贈されたコレクションの1つが、ここで紹介する『捃拾帖』を含む田中芳男文庫である。(約2700タイトル、6000冊、昭和6年の寄贈)『捃拾帖』は幕末から近代までの新聞、お菓子の包み紙やチラシ、領収書やその他雑多な摺りものが貼られたスクラップ帳です。著者が図書館に通いこれはと思うもので一冊にしたのがこの本。(2014・6刊)田中芳男は明治時代の博物学者。本草学を学んでいるから何でもかんでも貼り付けたのでしょうか?大阪万博・愛知万博や2025年大阪万博の礎を築いた人と言っても良いと思います。それにしてもこういう資料は『生』に限ります。ひょっとしてお菓子の匂いがしたりして。