よく耳にするけど、一度として現物を見たことがない。そういうものが、この世にはあります。
堪忍袋の緒、転ばぬ先の杖、左うちわ、舌鼓、先輩風、無鉄砲、思う壺、助け舟、一筋縄、語り草、等々です。
商品番号・第6番 先輩風
<先輩風>?
そんなものとは無縁だよ、などと思っていらっしゃる貴方。
驚いてはいけません。
じつは、人は誰でも「先輩」になるのです。この世に生まれてしまった以上、すべての人は「先輩」になる運命なのです。
学校の、
会社の、
そして、人生の。
自分の意思とは無関係に、かならず貴方はなんらかの「先輩」になります。
いや、きっともう、なっているはずです。
貴方のうしろには、数限りない後輩たちが列をなしています。そして、貴方の背中をしっかり見据えている後輩がいるかもしれません。
「先輩」
と、背中に声がかかるかもしれません。
貴方は振り向きます。
振り向いて、何かひとことふたこと後輩に言葉を返さなければなりません。
そこで戸惑ったりしてはダメてす。なにしろ貴方は「先輩」なのですから。
「おう」
とか、なんとか言わなければなりません。貴方が男性であったらなら、ここはもう「おう」で決まりです。間違っても「はい」なんて言ってはダメです。
「おう、どうした?」
そう言って、黙ってうなずき、後輩の目をしっかりと見据えます。それとなく余裕も見せなくてはなりません。そうして、一瞬の隙をつき、ポケットからおもむろに本商品<先輩風>を取り出すのです。
取り出したら、素早く、
「しゅっ」
と吹かせます。
もちろん「風」を送り込んでいることを、後輩に気付かれぬよう、わざとらしくなく、しかし着実に「しゅっ」とやります。
「しゅっ」とやりながら、「俺はさ」などと言ってみましょう。
さりげなく「まったくそうだよな」とか「しょうがねぇなぁ」なんて言ってみたりしましょう。
そして、すかさず「しゅっ」です。
豪快に笑うことも忘れずに。思いきり「わはははは」と笑いましょう。
ただし、あんまりいい気にならぬよう。確かに人は誰もが「先輩」ではありますが、同じように、人は誰もが「後輩」でもあるからです。
クラフトエヴィング商會
ないもの、あります より
「威張りん坊風」?
アッシュは威張りん坊
めいぷる叔母さんに威張りん坊。
お里でセナ父さんに威張りん坊
フレイ先輩にも威張りん坊
めいぷるもセナもフレイも威張りん坊タイプではない事をいいことに威張りん坊
「びびり」のくせに威張りん坊
甘々の私には叱れない^^;
しかし、お里でいけないことをして叱ってくれたらしい。
少し良い子になったようです。
