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映画・演劇のレビュー

『テルマエロマエ Ⅱ』

2014-05-08 21:09:50 | 映画
あの大ヒット作の第2弾である。前作は不意を突かれた。その手があったのか、と新鮮な驚きに包まれた。映画自身の出来はともかくとして、そのアプローチに感動させられた。吹き替えであることを逆手に取ったバカバカしさも悪くなかった。冗談のような映画を本気で作ったことによる感動がそこにはあったのだ。だが、その手が2度は通じないだろう、と思う。だから、この映画は普通じゃないような仕掛けがなくては前作を超えることは不可能だった。

まず、先行した宣伝のチラシのデザインのばかばかしさに呆れた。あれはないだろ、と思う。大作映画があんなことを大真面目にしてはならない。でも、敢えてそれを平然としちゃう。『スターウォーズ』と『ターミネーター』のパロディである。安い映画でも、そこまであからさまなことはしない。もしかしたら、この映画には新たなる戦略があるのではと、勘繰りたくなった。そこで、さっそく見に行ってしまったのだ。

はっきり言う。これはダメだ。出来上がった映画はまるでつまらないバカバカしさで、あのチラシそのまま。前作の縮小再生産にしか、ならない。エッセイ風のお話で、小さなエピソードの羅列である。そこも、前作と同じ。でも、それだけでは、映画にならないから、後半大がかりな仕掛けを用意するのだが、(それって、前作と同じだ。)そこで、失敗する。(それも、前作と同じ。まるで学習してない。)もともと、この話は、お金がかかる設定なのに、まるで、スケールのないちまちましたお話でしかないというところに、面白さがあったのだ。意外性くらいしか、武器はない。である以上、2回目なんかないのだ。あのヒットはただのまぐれである。見事なまぐれだった。だから、2匹目のドジョウなんかいらなかった。残念。

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