伊坂幸太郎の傑作小説を瀧本智行が見事に映画化した。2時間のとんでもない狂騒曲。今まで伊坂作品は中村義洋監督のほぼ独占市場だったのに、そこにようやく対抗馬が登場した、という気分だ。次はぜひ、『マリアビートル』をお願いしたい。
瀧本演出はそのワイルドさ、スピード感が素晴らしい。テンポのよさと重厚さ。ライト感覚の中村演出とは一線を画する。そのヘビーなタッチがいいのだ。あのハードアクション『脳男』でもタッグを組んだ生田斗真とのコンビは見事はまっている。特に前半戦の緊張感は半端じゃない。先日見たキアヌ・リーブスの『ジョン・ウィック』に迫る。
あれも殺し屋たちの話だった。だが、これは殺し屋が主人公ではない。生田はただの元教師で、恋人を殺された復讐のために戦う。だが彼の周囲にとんでもない殺し屋たちがうようよしているのだ。浅野忠信が上手いのはもうわかっている。だが、吉岡秀隆があれだけやるなんて意外だった。出てくるキャストがみんな楽しそうに演じている。生田はどちらかというと、巻き込まれ型。しかも、彼だけがセンターにいるのではなく、いろんな話が錯綜する。
まぁ、それが伊坂作品の常なのだが。こんがらがってもつれた糸がすべてうまく収まっていくのもいつもの伊坂作品のパターンだが、演出がシャープで、スピーディーな展開を可能にしたため、最後まで息もつかさない。おもしろい映画を見たという満足感に包まれる。エンタメとしてとてもよく出来ている。へんなこだわりがないのがいい。単純で結構。だが、お話の核心をきちんと突く。気持ちのいい決着をちゃんとつける。要するに、なによりもこれは典型的な娯楽映画なのだ。
瀧本演出はそのワイルドさ、スピード感が素晴らしい。テンポのよさと重厚さ。ライト感覚の中村演出とは一線を画する。そのヘビーなタッチがいいのだ。あのハードアクション『脳男』でもタッグを組んだ生田斗真とのコンビは見事はまっている。特に前半戦の緊張感は半端じゃない。先日見たキアヌ・リーブスの『ジョン・ウィック』に迫る。
あれも殺し屋たちの話だった。だが、これは殺し屋が主人公ではない。生田はただの元教師で、恋人を殺された復讐のために戦う。だが彼の周囲にとんでもない殺し屋たちがうようよしているのだ。浅野忠信が上手いのはもうわかっている。だが、吉岡秀隆があれだけやるなんて意外だった。出てくるキャストがみんな楽しそうに演じている。生田はどちらかというと、巻き込まれ型。しかも、彼だけがセンターにいるのではなく、いろんな話が錯綜する。
まぁ、それが伊坂作品の常なのだが。こんがらがってもつれた糸がすべてうまく収まっていくのもいつもの伊坂作品のパターンだが、演出がシャープで、スピーディーな展開を可能にしたため、最後まで息もつかさない。おもしろい映画を見たという満足感に包まれる。エンタメとしてとてもよく出来ている。へんなこだわりがないのがいい。単純で結構。だが、お話の核心をきちんと突く。気持ちのいい決着をちゃんとつける。要するに、なによりもこれは典型的な娯楽映画なのだ。