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映画・演劇のレビュー

『トロピックサンダー 史上最低の作戦』

2008-11-06 23:12:19 | 映画
 ただのバカである。ここまで悪ふざけをした映画はなかなかない。しかも中途半端な悪ふざけではない。本気の悪ふざけである。ベン・スティラーはずっとこんなバカ映画の企画を諦めずに温め続けてきたのか、と思うと何だか頭が下がる。あんたはバカだが偉い。そんな彼の熱意にほだされて熱い仲間たちは結集した。彼らも同じようにバカである。こんな映画に出てもなんのためにもならない。それどころか恥である。なのに、協力を惜しまない。友情っていいなぁ、と思う。

 トム・クルーズが狂気の演技を見せる。あの人は中途半端は嫌いだ。やるならとことんする。だから、今回ただのカメオ出演には飽き足らず本格的に狂気の沙汰に挑む。偉い。主人公の3人がバカするのはまだわかる。主役だもんね。でも、トムは違う。恥も外聞もかなぐり捨てて、ハゲでデブで、脇役のプロデューサー役に挑む。

 それにしてもロバート・ダウニー・Jr! 彼には呆れる。原型を留めないメイクでやり過ぎ演技派俳優に挑戦。黒人になりきるため皮膚の手術をした男を演じる。大体このアホな設定ってなんだ。3人に与えられた設定はそれぞれアホだが、彼がピカイチ。ここまでくだらないし、無意味なことに情熱を傾けるってなんなんだろう。

 けっこう残酷な描写も多い。そこまでしなくてもいいだろ、と思う。だが手綱を緩めない。かなりの大予算の映画だ。これを中途半端にしたらただのバカで無視される。だからとことんやる。見ていて呆れる。どこまでやってもただのバカだ。時間の無駄である。こんな映画を見ている自分のバカさに呆れる。こんなものを見てる暇があったのなら、仕事しろよ、と思う。寝てたほうがいい。

 だが、見てしまった。見終えた感想はただ一言だ。

 「バカ!!!」それだけで充分だ。もちろん褒め言葉だ。ぜひ暇でくだらないものを見たい人は劇場に足を運んでもらいたい。必ず呆れて物も言いたくなくなること請け合いだ。ニック・ノルティーはひとりいつも通りの芝居をしている。あの人はマイペースだ。マイペースでこんなバカな映画に出るというのもまた別の意味で凄い。

 

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1 コメント

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期待通りのバカ度?! (通りすがる女)
2008-11-07 15:26:10
はじめてお邪魔します。
もう観られたんですね。いいな~。
ベン・スティラーさん以外の二人が見たくて、ちょっと公開を
楽しみにしていましたこの映画。

「レス・ザン・ゼロ」で、もうメロメロになってしまったロバートさん。「アイアンマン」もまだ観れてないのに。
皮膚移植までする演技派とは・・・。あ~あ・・・。!!。

ジャックさんはそれまでもたくさんチラッと見てましたが
「キング・コング」を観て「!」と来ました。

ベンさんは・・・私には時々クドイです・・・。
でも、監督ベンさんなんですよね、これ。大丈夫かな?

いろんな俳優さんのカメオ出演も見所のようだし、コメディだし、
クイズ感覚の軽~い気持ちで、臨んでみようかなと思います。

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