ウシジマの過去が描かれる。カウカウファイナンスに突然訪れた中学の頃の友だち。ウシジマの原点となる中学時代のエピソードと今とを対比させて、あの頃に決着をつける戦いがクライマックスに用意される。ファイナルにふさわしいドラマとなる。
今回2本撮りで作られた「3」とこの「ファイナル」の撮影順序が、まずファイナルを撮った後、3に繋げたという話をどこかで聞き、なるほどと納得。ここまでの集大成として力が籠った「最終決戦」としてではなく、ウシジマの日常の延長線上にこの作品がある。この作品が面白いのは、ウシジマくんの完結編が、このドラマ全体の幕引きではなく、取り合えずこの瞬間の終わりとして描いたからで、この後も、『3』のような日常が続いていくということを、思わせてくれるからだ。
ラストのウシジマの無表情な顔を延々と見せるシーンが象徴的だ。あそこで彼が感情を少しでも表に出してしまったなら、この映画は失敗になる。しかし、簡単に無表情を貫いても嘘くさい。とても、人間的な彼の中にある弱さをギリギリまで追い詰めるから、スリリングになるのである。金貸しがお客に媚びたり感情移入したりしたなら、おしまい。
彼は2億の資金を持っていても、別に金持ちではない。いつも同じ服を着て、貧しい食事を取っている。いや、時にはみんなで上等の肉を山盛り買ってきてすき焼きもする。そんなのは多かれ少なかれ我々庶民だって同じだ。
ウシジマから金を盗む3兄弟はその2億で高跳びして自由を手に入れるという。しかし、そんな自由なんかには何の意味もない、ということをウシジマが一番よく知っている。お金がなければ生きていけないが、お金があっても、それだけでは生きてはいけない。そんな当たり前のことをウシジマはストイックに教えてくれる。
必要なお金を大切に使うこと。そんなありきたりなこと。それを大切にしよう。この映画はそういうことをちゃんと学ぶための映画なのである。そういう意味ではこれはちょっとした教育映画なのである。文部省特選にしてもいいのではないか。
今回2本撮りで作られた「3」とこの「ファイナル」の撮影順序が、まずファイナルを撮った後、3に繋げたという話をどこかで聞き、なるほどと納得。ここまでの集大成として力が籠った「最終決戦」としてではなく、ウシジマの日常の延長線上にこの作品がある。この作品が面白いのは、ウシジマくんの完結編が、このドラマ全体の幕引きではなく、取り合えずこの瞬間の終わりとして描いたからで、この後も、『3』のような日常が続いていくということを、思わせてくれるからだ。
ラストのウシジマの無表情な顔を延々と見せるシーンが象徴的だ。あそこで彼が感情を少しでも表に出してしまったなら、この映画は失敗になる。しかし、簡単に無表情を貫いても嘘くさい。とても、人間的な彼の中にある弱さをギリギリまで追い詰めるから、スリリングになるのである。金貸しがお客に媚びたり感情移入したりしたなら、おしまい。
彼は2億の資金を持っていても、別に金持ちではない。いつも同じ服を着て、貧しい食事を取っている。いや、時にはみんなで上等の肉を山盛り買ってきてすき焼きもする。そんなのは多かれ少なかれ我々庶民だって同じだ。
ウシジマから金を盗む3兄弟はその2億で高跳びして自由を手に入れるという。しかし、そんな自由なんかには何の意味もない、ということをウシジマが一番よく知っている。お金がなければ生きていけないが、お金があっても、それだけでは生きてはいけない。そんな当たり前のことをウシジマはストイックに教えてくれる。
必要なお金を大切に使うこと。そんなありきたりなこと。それを大切にしよう。この映画はそういうことをちゃんと学ぶための映画なのである。そういう意味ではこれはちょっとした教育映画なのである。文部省特選にしてもいいのではないか。