病はあるように見えていても本来無いという思想は人間を光明に導く。
生長の家がこの思想を発明してから実に多くの人が救われている。
あると思えば恐れられ、恐れれば生命力は萎縮し、生命力が萎縮すれば病気は治らないのである。
心の変化で、人体を流れる電流に変化を来たすことは早大心理学教室で発明した嘘発見器以来周知の事実である。
そして感応電流を人体に通ずれば健康に ある影響を及ぼすのも周知の事実である。
そうすれば心の変化が人間の健康に影響を与えるのも当然のことである。
しかも今までの医学は、その診断を正確に患者につげることを道徳責任のように思って、
患者の心を動揺せしむることの悪影響を考えなかった。
この点で医学は診断学であって、医術でない場合が多かった。
患者の心を動揺せしめないで、生命力を内から振起せしめるのは術である。
読書によって生命力を振起せしめる文章術の極致を示したのが『生命の實相』である。
これから後世に、もっと強く生命力を振起させる文章が出て来るかもしれない。出ることを望む。
ともかく、薬物でないと生命力は振起しないと思われていたのを
文章術によって生命力を振起する道を拓いたのが『生命の實相』である。
学と術とはちがう。
現象学は現象を正確に告げる必要があるし、
人を生かす術は現象を跳び超えさせてしまう。
漂える雲のかなたにまん丸に澄みきる月ぞわが姿なる
病める人は「病はあるように見えても本来ない。」この言葉を常住坐臥唱えよ。
病は本来ないという思想が、あなたの心の底に徹底したならば、
ほとんどすべての病は地上から姿を消すにちがいない。
『生命の實相』第37巻 1月21日(P20-P21) 谷口雅春著 日本教文社刊