重態の病人が治ると治らないとは主として其の患者の切なる願いが 「 治ること 」 を
希望していると否とにかかっているとは名医の指摘する真理である。
人間が病気から治るためには 「 病気になりたい意思 」 を捨てなければならないのである。
「 この世が嫌になった 」 と仮初(かりそめ)に云う言葉の奥にも、死への願望や、
病気への願望がひそんでいるのである。
夫婦喧嘩や、事業の失敗や、現世で迚(とて)も遂げることの出来ない願望に絶望したのちに
人間が病気にかかるなどはそれである。
『 生長の家 』 昭和二十五年 九月号 二十九日の法語 谷口雅春先生