危急存亡の時に到(いた)れば
吾々の生命の中にある無限の能力が揮(ふる)いおこされる。
周囲一面が火の海に包まれて坐(すわ)っておれば焼け死ぬより外に道がないと思われるような瞬間に
中風の老人が、全身の不随を回復して逃げ出したという様な事実もあるのである。
ダンテは 二十年間追放生活の中に営々として著述に従事し、
死刑の宣告の下に於いても著述したのである。
「 ロビンソー・クルソー漂流記 」 の作者も入獄中にそれを執筆したのだといわれている。
一度 意を決したる人には 如何なる困難もその人の自由を奪うことはできないのである。
『 生長の家 』 誌 昭和二十四年七月号
「 困難の受け方に就いて 」 七日の法語 谷口雅春先生