一念不動である。
傍目(わきめ)をふること勿れ。
目的以外に精力を浪費しないものは、
遂(つい)に目的を貫徹するものである。
特に仕事の最中に机の上に色々の物を置いて
気を散らしてはならない。
ミケランジェロは常にそのアトリエに
唯(ただ)一人きりで生活したのである。
友人がその理由を尋ねると彼は答えていった。
「 芸術は嫉妬深い婦人である。
彼女は私のすべてのすべてを要求するのです。」 と。
彼はシスタイン・チヤペルで仕事をしていた時には
誰(たれ)にも会うことを拒絶した。
自宅にいてもその期間は誰にも面会を
拒絶したといわれている。
一念芸術製作に没頭した彼であったればこそ
かくの如き名作が生まれたのである。
『 生長の家 』 誌 昭和二十四年七月号
「 困難の受け方に就いて 」 二十二日の法語 谷口雅春先生