もし身長が10cmくらいになったら…
そんな擬似体験できる展示会でした。
借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展
東京都現代美術館
薄暗い会場の入口は、なんと家の床下にある通気孔。
私は映画「借りぐらしのアリエッティ」を実は観ていないのだが、そのアリエッティ一家は人間の家の床下で、人間の道具を借りて、生活を送っているという設定らしい。
つまり、来場者が巨大セットの中に入って、アリエッティの目線で展示を楽しむという仕掛けなのだ。
迷路のようにやや入り組んだその部屋の中にたくさんのリアルでかわいい美術セットがある。
包装紙の壁紙
ガラス瓶の光取り
灰皿のバスタブ
安全ピンの物掛け
腕時計のベルトを外した掛け時計
チェスの駒の立派なオブジェ などなど…
ミュージカル「CATS」の猫の目線サイズの大道具の数々を思い出した。
なかなか楽しい。
ただ、床下ということで全体的に照明暗め。ちょっと足元が怖いところも。
あと、トラウマになりそうな巨大なあの虫は許せん。倒れそうになった(半泣きしてた子どもがいたな)
別の通気孔から出ると、そこは太陽の光降り注ぐ明るい庭。
自分の背丈と同じくらいのドクダミやオオバコの中を歩くことになる。
光や水滴やらがこれまたリアルで、でもやっぱりかわいい。
咲いている花の種類から、季節は6月頃か。
つい雑草好きのクセが出て、タンポポをチェックしたらセイヨウタンポポだった。
映画はアニメなのに、こうして舞台美術で表現して展示しちゃうんだからすごいよね。
まさに展示会のテーマ「現実と虚構の融合」を体感できました。
このアリエッティワールドの他は、種田氏の原画やデザイン画や手がけた映画美術の写真などのコーナーがある。
こちらも興味深い展示が結構あって、中でも、映画の美術監督(プロダクションデザイナー)として携わった舞台セットはかなりよかった。
特に三谷作品「ザ・マジックアワー」のSUCAGO CITYの街角のセットと、
タランティーノ監督の「キル・ビル Vol.1」の青葉屋のセット。
2つとも映像で「よくできているなあ」と思っていたけど、図面や、作っていく過程の写真などを見てさらに興奮してしまった。
CGじゃないんだもんね。撮影終わったら壊されちゃうんだよ。
素晴らしい作品だけに、解体されるときってどんな気持ちなんだろう?とか思っちゃった。
さて、アリエッティの映画を観るかどうかはまだ決めかねているが…
このチケットを譲ってくれた友人には大感謝!
もっとじっくり見たかったんだけど、人が多くて…と思ったら勘違いで、
部屋が作りこんであって狭いから、人が多く感じただけでした
でも、もう少しゆったりのんびり眺めたかったなぁ
私も角砂糖の前のソファに腰をおろしてみたけど、続々と人が来るのですぐ立ちあがって移動しました。
平日にそれなりにじっくり見られただけ贅沢だったんだろうけどね。