この日の宿泊地へ向かう前に 立ち寄りたかったのは
別所温泉にある常楽寺と安楽寺。
もちろん 門前で「○番 常楽寺っ!」とかするためではない。
後からついてきた情報ですが この別所温泉は信州の鎌倉と言われるほど
風情のあるお寺さんが多い。
特に 常楽寺の石造多宝塔や安楽寺・大法寺の三重塔はみごたえがありました。
茶房パニを出て 一路常楽寺へ。
建物好きではありますが実は純粋な日本建築はそれほどでもない。
それでも なぜか神社仏閣に魅かれるのは
おそらくそこに立ったときの空気感(という言葉で言いきってしまうのには
抵抗があるのですが)が好きなのだと思います。
逆に(ここ別にいいや)と ばち当たりなことを感じてしまう場所もあるのです。
そんなとき 一緒にいる人間が同じように感じているととても嬉しい。
常楽寺に足を踏み入れた時も ああ ここいいねーの声。
こちらはお寺の奥に、日本でも数少ない石造多宝塔があります。
うっそうとした木々の間に まさに自然の中で人々の信仰の対象になったであろう
多宝塔が凛と立っている様子は
みているこちらも背筋が伸びてくるような気がします。
常楽寺に隣接する様な場所に 安楽寺があります。
これは境内にある高野槇。天に向かってドリル状に伸びています。
見事な剪定に、手入れをするのにクレーンが要るんじゃないかとか
余計な雑念がよぎりますが…。
石段をてくてくと昇っていくと
八角三重塔がお目見え。
ガイドブックで見たとき なんだかキノコが重なったみたいだなと思ったのですが
近くでよく見てもなんだかキノコのひだひだに見えてしまうわたくしを
お許しください…。
でも こうした建築様式をじっと見ていると
毎度のことながら遠い時代に気持ちが流れていくような気がする。
この安楽寺と鎌倉の建長寺はつながりがあるようなので
今度建長寺に行くのが楽しみになってきました。
ここからまた山道をくねくねと進んで行きますと
今回のお宿 田沢温泉ますや旅館にたどりつきます。
この辺はお店らしいお店もなく 渓流が流れているということもなく
ただただ静かな温泉地。
ささやかに流れるのは用水路。時期がよければ蛍も見られるとのこと。
ここ数年 我らがブームになっている古い建物が待っています。
島崎藤村の「千曲川のスケッチ」にも登場し、
藤村の間という、藤村が滞在したお部屋もあるお宿です。
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