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ブルターニュ紀行 7 <ラニオン から ル・レゲー川にそって ケルフォンの礼拝堂まで>

2021-02-18 00:25:07 | 素晴らしき世界/フランス/ブルターニュ
巻頭写真 : 『Chapelle Notre-Dame de Kerfons ケルフォンの聖母礼拝堂』

荒海と信仰とケルト文化と古代巨石文明と
フランスにあってフランスではない異世界を訪れよう


昨日の「トレブルデン」からすぐ南に隣接する町が
『Lannion ラニオン』
と言います

起起伏あり都会の街並みあり旧市街あり
でも
なんとなくだだっ広い空間という感じの町


展望ポイントから見るとこんな感じで
テッペンに教会があるいつもの村みたいに見えますが


町でイチオシの光景はこれ
いずれも「中世風の」しかしそれぞれ違うデザインの家が連なって
本当に素敵です

右の角から三軒目が

『Maison de Chapelier 帽子屋の家』

16世紀の愛称「帽子屋の家」と呼ばれる建物
城や館の屋根に使う高価な粘板岩の瓦「アルドワーズ」を
壁全面に貼るのは「ノルマンディー」にもあるやり方で
海からの潮風を受ける場所に多い建て方のようだ

斜面の一番上に教会


アクセスは複数あるが
階段が教会堂に向かうには一番相応しいような気がするのです






南側翼廊の扉口の上に
細い塔が三本立ち上がっているのが珍しい


石造りの重量感を圧力として感じるのが
ブルターニュの建築物ならではの特質





天井は木製


外壁の一角に日時計がある
1778年と言う数字が誇らしげに見える

もう一つ別の教会もご紹介しよう
『Eglise Saint-Jean-de-Baly バリィの聖ヨハネ教会』

正面

この教会も高いところにあることがわかる

ラニオンには修道院も複数あります

『Monastère Sainte-Anne 聖アンナ修道院』

『礼拝堂』

もう一つ

『Monastère Sainte-Ursuline 聖ウルシュラ会修道院』

「サン・ギレック(プルマナック)」の岬の目と花の位置にある
『Grande-Ile 大島』
の白い花崗岩で作られた

中庭

町は『Place Centrale 中央広場』を文字通り中心として機能している




街中を『ル・レゲー川』が流れ
一部にカヌーのコースを作ってあった



『Le Léguer ル・レゲー川』

郊外に出ると例によって結構な川幅で
数十キロ海に近づくと入江さながらとなる


そのル・レゲー川を本の7〜8km遡る(南下)と
『Kerfons ケルフォン』
と言う小さな集落に特筆すべき礼拝度yがあるのです
『Chapelle Notre-Dame de Kerfons ケルフォンの聖母礼拝堂』


『Chapelle Notre-Dame de Kerfons ケルフォンの聖母礼拝堂』

外観からして見事な造形美

通常の十字架型ではなく「T の字」型でこの地方独特のもの
中央身廊の先端から南北に礼拝室が二つある
この写真手前は南側


側面に小さな「コーナー」を作ってあって
一枚岩を掘った十字架が立っている
角度のせいで分かりにくいが
上に十字架上のイエスの像やマリアとヨセフ等が表裏で立っていたりする




これは「アンクロ」と言ってブルターニュの非常に重要な特有の構造物で
今後ブルターニュを旅して行くときに必ずご紹介しなければならない
テーマになります


入り口能ある側の上の
鐘楼ならぬ鐘塔へ登るための階段もユニーク


扉口

そして入り口はもう一つあって


その扉の


扉上部には「受胎告知」のレリーフ

中に入ると
そこは驚嘆の世界が広がる

『Jubé 内陣仕切り壁』

スペインの教会には多いが
初期中世の頃までの教会は
西側正面入り口を入って身廊の奥にある祭壇が仕切り壁で隠されていた
つまり
一般信者席に座ると祭壇は見えない
その壁を「ジュベ」と言います
フランスでは17世紀には取り払ってしまった

この礼拝堂は
そのジュベの細工が素晴らしいのです


この「ジュベ 内陣仕切り壁」の奥が祭壇
その壁の一番上の梁の上に二体の彫刻






向かって左
ブルーの衣なので聖母マリア


となると右は聖ヨハネ


左端は大天使聖ガブリエル

左から二人目
天国の鍵を持つ聖ペテロ

その右
逆さ十字架に架かった聖アンドレ

右端は聖ヤコブ






右端がイエス・キリスト

ジュベをくぐって祭壇まで行って振り返ると




内と外と
左右につながる装飾帯の下に天使がぶら下がっている





















持ち物が違っていたり
同じ持ち物でも衣の色が違っていたり

その他
壁の前や角々
あるいは天井のアーチの立ち上がりの位置などにも
様々な彫像があるのです

『受胎告知』


『幼子イエスを抱くマリア』


『イエスの洗礼』


『イエスの復活』


礼拝堂の神父


司教様


『聖母子像』


どの彫像も
ロマネスクの戯画性もなく
ゴシックのオドロオドロしさや威圧感もなく
ルネッサンスの芸術性もなく
でも
極めて素朴で稚拙にも見える表現から
其々表されている対象の人間臭さみたいなものが感じられ
なんとも言えず魅入られてしまう


この礼拝堂は15世紀から16世紀にかけて建立され
「Jubé」は1480年頃の作らしい
美術様式的にはゴシック終期
木製で彩色

ということは決して古い教会建築というわけではないが
重要文化財です
=   =   =   =   =   =   =   =   =
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