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まねき猫舎

知目行足

昨日、取材でお邪魔した福岡県の由緒ある某寺院。
そこで寺社番をされていた御住職のおば様は、御歳90歳。
かくしゃくとされていて、計算も受け答えもしっかり。
しばし、おばあちゃまにつかまりお話相手をさせていただきました。

おばあちゃまの昔話から始まり、しだいにお話は現代へ。
その中で、私の仕事を聞かれ、
 取材して回って文章書くのが仕事です。でも会社には属していない一匹狼です(笑)
と答えると、
 あなたのお仕事は知目行足ですね
と言われました。
 自分の目で見たり、自分の足で知ったことを、
 知識として蓄え自分の足で歩いてゆく
という意味なのだそうです。
 そうして、得た知恵は『知慧』となるのですよ
 慧という字は仏様から許された者のみ使える言葉なのですよ
と、おばあちゃま。

さらに、
 人は生きているのではありません。御先祖様、仏様に生かされているのです。
 私は、朝目が覚めたら、今日も生かされていてありがとうございますと、
 御先祖様、仏様に感謝して、1日に一つ、何か後世に残すお手伝いをしています。
と話されました。

帰り際には、
 あなたは良い顔相をしてらっしゃる。そのままお生きなさい。
 そして、御先祖様に感謝して拝みなさい。
 感謝して拝む心が無くなると、人は争いをおこしてしまいます。
とおっしゃいました。

お守り等を買う場所でのほんの30分ほどの世間話。
でも、90歳を生きてこられた方との世間話は重みがあり、
お寺という場所柄も加わり、日々の生活の心構えを改めて教えていただきました。

山門をくぐり苔むした石段を一つ一つ降りるたびに、
おばあちゃまの言葉が心に響き、背筋が自然と伸びてゆきました。

「桜が咲く頃にまたいらっしゃい。お話ししましょう」とおばあちゃま。
境内の桜の蕾みはふっくら。
満開の桜の下で、ゆっくりおばあちゃまの説法を聞いてみたくなりました。
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