祈りの集会

アロヨ大統領や与党が進める憲法改正に反対する改憲集会が開催された。
フィリピン・カトリック司教協議会が呼びかけ、野党や左派系団体なども推定５万人以上が参加、リサール公園で開催された。
アロヨ政権下で最大級の政権批判集会となり国民の精神面に強い影響力を持つ宗教界の「反旗」が振られた。

　司教協議会は「祈りの集会」と名付け、政治家を除外、横断幕や旗の使用も禁じた。しかし祈りの集会は「政治危機の深刻化を看過できない」として、集会の目的は政権批判になった。協議会のラグダメオ議長は壇上で「現状での改憲は無意味」と発言。反アロヨ派の中心であるアキノ元大統領も姿を見せ、静かな中にも、大統領選の不正疑惑などでアロヨ氏への辞任要求が高まっているさなか、何となく政権交代企みがにじみ出ているようにも。

改憲のかけ声とは裏腹に、アロヨ大統領は今年２月の非常事態宣言、反対派への弾圧など強権ぶりを発揮し、改憲については、世論の反対を無視、政権与党のデベネシア下院議長らが強引に改憲議会を招集するなど手続きを進め、相当の批判が高まっていた。

　フィリピンは９割がキリスト教徒。アロヨ政権への明確な批判は控えてきた宗教団体。しかし、アロヨ大統領の強引な手法に、国民の国内世論に大きな影響力を持つ宗教界が批判に回った。
今回の宗教界が批判に回ったことで、議院内閣制への移行を柱とするアロヨ政権の改憲戦略に対する打撃となりそうだ。

集まった推定5万人の大衆がピープルパワーに発展、暴動で起こしてと懸念されていましたが、無事閉会しましたが、アロヨ大統領への不満は日増しに高まっているフィリピンでもあるようです。