経済なんでも研究会

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裏目に出た FRBの利上げ停止

2019-03-26 07:46:40 | イギリス
◇ 市場に景気不安を意識づける = アメリカの中央銀行であるFRBは先週20日、突如として「ことしは利上げしない。資産の縮小も9月には停止する」と発表した。FRBは15年末から政策金利を徐々に引き上げ、国債などを市場に売り戻して量的引き締めも進めてきた。その政策をすべて中止するのは、ヨーロッパ経済の悪化など景気の先行きに心配な状況が生じてきたため。市場では金融政策が中立的な段階を飛び越えて、一気に“景気警戒モード”に入ったと受け止めている。

この発表の直後からアメリカの10年もの国債利回りは下げ始め、22日のニューヨーク市場では2.41%と1年3か月ぶりの水準にまで低下した。ヨーロッパ諸国や日本の国債も買われ、22日の東京市場では10年もの国債の利回りがマイナス0.80%にまで下がっている。ドイツの長期金利も、一時はマイナスに陥った。そして各国の市場で、株価は下落した。

金利が下がれば、金融機関の利ザヤは縮小する。このため銀行株が、軒並み下落した。さらに市場には「FRBはかなり景気の先行きを心配している」という観測が流れ、株価の下落を加速した。FRBとしては「引き締め政策をストップすれば、株価は上昇する」と考えたのだろうが、結果は裏目に出た。

長期金利が下落し、短期金利を下回る逆転現象が11年半ぶりに起こったことも、市場の空気を暗くした。過去の経験則からみると、この逆転現象のあとには必ず景気後退がやってくるというから、投資家も考え込んでしまうだろう。そこで安全な国債に逃避すれば、長期金利はさらに下がる。円相場は上がるという構図になる。こんな状況から市場が抜け出すには、時間がかかりそうだ。

       ≪25日の日経平均 = 下げ -650.23円≫

       ≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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