◇ 台湾、韓国から日本へ疎開する = いま世界の半導体メーカーは、大きな問題に直面している。半導体の供給を確実なものとするため、各国が競って自国での生産を強化しようとしていることへの対応。たとえばアメリカ政府は5年間で7兆円、EUは30年までに6兆3000億円の予算を使って半導体メーカーを囲い込む。これと関連して、もう1つの問題は台湾と韓国に集中し過ぎた生産体制の見直しだ。
半導体の製造能力を国別にみると、韓国と台湾だけで世界の44%を占めている。万が一にも韓国が、北朝鮮に攻め込まれたら。仮に台湾が香港のようになったとしたら。世界の半導体供給網は、ずたずたに裂かれてしまう。それなら韓国と台湾のメーカーは、機能の一部を日本に疎開しておいた方が賢明だ。アメリカやEUも、その動きに参画した方がいい。実は台湾のTSMCが熊本に工場を建てているのも、根底にはこうした考えがあったと言える。
首相官邸で行われた半導体メーカー経営者会合は、こうした世界の潮流を捉えた試みだった。この点では、大成功だったと評価できるだろう。だが、このことはまた必ずしも日本の環境が良好なために疎開してくるわけではないことも意味している。たとえば労働力が集められるのか。電力コストが高すぎないのか。人手不足でトラック輸送などに支障はないのかなど。
政府はこうしたインフラの整備に、もっと努力しなければならない。それが出来ないと、経営者会合の結果もアダ花に終わってしまう危険がある。激化する競争のなかで、日本が半導体を主力産業として維持して行けるかどうか。これが恐らくは、最後のチャンスとなるだろう。政府に、その覚悟があるかどうかを問いたい。
≪24日の日経平均 = 下げ -275.09円≫
≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
半導体の製造能力を国別にみると、韓国と台湾だけで世界の44%を占めている。万が一にも韓国が、北朝鮮に攻め込まれたら。仮に台湾が香港のようになったとしたら。世界の半導体供給網は、ずたずたに裂かれてしまう。それなら韓国と台湾のメーカーは、機能の一部を日本に疎開しておいた方が賢明だ。アメリカやEUも、その動きに参画した方がいい。実は台湾のTSMCが熊本に工場を建てているのも、根底にはこうした考えがあったと言える。
首相官邸で行われた半導体メーカー経営者会合は、こうした世界の潮流を捉えた試みだった。この点では、大成功だったと評価できるだろう。だが、このことはまた必ずしも日本の環境が良好なために疎開してくるわけではないことも意味している。たとえば労働力が集められるのか。電力コストが高すぎないのか。人手不足でトラック輸送などに支障はないのかなど。
政府はこうしたインフラの整備に、もっと努力しなければならない。それが出来ないと、経営者会合の結果もアダ花に終わってしまう危険がある。激化する競争のなかで、日本が半導体を主力産業として維持して行けるかどうか。これが恐らくは、最後のチャンスとなるだろう。政府に、その覚悟があるかどうかを問いたい。
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