経済なんでも研究会

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世紀の失敗作 もんじゅを廃炉に

2017-12-15 07:49:00 | エネルギー
◇ 責任は誰もとらない = 日本原子力研究開発機構は先週、高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉を原子力規制委員会に申請した。廃炉が完了するのは30年後の2047年度。必要な費用を1500億円と見積もっている。しかし高速増殖炉の廃炉は初めてのことであり、技術的に解決しなければならない問題も山積している。このため廃炉が計画通り進むかについては、疑問の声が多い。

もんじゅは1985年9月に発電を開始した。ところが冷却用の液体ナトリウムが漏れ出すなどの事故を次々と起こし、政府は「使い物にならない」とみて、昨年12月に廃炉を決定した。こうして1兆円以上の資金を投じたもんじゅは、結局44日間しか発電していない。まことに豪快なムダ遣い、20世紀最大の失敗作品だと言うしかない。

さらに廃炉には、巨額の費用が必要になる。特に爆発の危険が高い液化ナトリウムの取り出しには、新たな技術開発が必要だ。文部科学省の試算だと、廃炉には3750億円かかるという。当事者である原子力開発機構の倍以上というのだから、どう理解したらいいのか迷ってしまう。そのうえ2万6700トンにのぼるとみられる放射性廃棄物の搬出先や処理方法も、全く決まっていない。

したがって完全に廃炉を終えるまでには、あと何年かかるか。総費用はいくらになるのか。現状では、全く見当がつかないと言っていい。民間の会社なら、倒産間違いなし。社長や重役の首が、いくつも飛んでいるだろう。だが準官公庁のような原子力開発機構の場合は、いくら損失を出そうが結局は税金で埋めてくれる。お咎めもなく、責任を問われることもない。

      ≪14日の日経平均 = 下げ -63.62円≫

      ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ


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