経済なんでも研究会

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自縄自縛の 2兆円政策パック

2017-12-14 07:25:32 | 無償教育
◇ もし消費増税ができないと = 政府は8日の臨時閣議で、人づくり革命のための2兆円政策パッケージを決定した。幼児教育・保育の無償化に8000億円、待機児童対策に3000億円、高等教育の無償化に8000億円、介護人材の処遇改善に1000億円を投入する。これから細部にわたって検討し、関連法案を来年の通常国会に提出する方針。

その財源も確定した。2兆円のうちの1兆7000億円は、消費増税による税収増加分から支出。残りの3000億円は、経済界が負担することになった。こうみてくると、安倍首相が熱心に打ち出した人づくり革命の具体策は、まことにスムースに動き出したように思われる。しかし問題は、財源の大半を消費増税に頼っていることだ。

政府・与党は、消費税率を19年10月に現在の8%から10%に引き上げる方針。だが19年春の時点で景気が下降局面に入っていたら、増税は困難だろう。と言って風呂敷をここまで広げてしまったから、増税ができないので2兆円政策パッケージも止めるというわけにはいかないだろう。そんなことをすれば、国民は裏切られたと感じてしまう。

景気が1年以上も先に、どんな状態にあるのか。誰にも正確な予想は困難だ。にもかかわらず政府・与党が2兆円政策パッケージの完成を急ぐ姿を見ていると「たとえ景気が悪くなっても消費増税は断行する」と言っているようにもみえる。あるいは景気上昇が19年春まで続くことに、賭けているのかもしれない。いずれにしても、自縄自縛のようにも見受けられるのだが。

      ≪13日の日経平均 = 下げ -108.10円≫

      ≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ


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